パズラートの世界 | [ Art/Design , BOOKS ] |
徐々に、その造形手法に慣れ、面白く感じ始めたところなのだ。
そのユニークな造形手法は、ある一定の寸法を持った紙片を折って、パズラーゲンなる素子を作り、その組み合わせで造形していく、無限の可能性を持つものなのだ。
そのバイブル……であり、マニュアルというべきものが本書なのだ。
Ⅰ さまざまなパズラート(パズラート百選展)
Ⅱ パズラートとは何か
1.パズラートとは
2.パズラーゲン・シートと素子・パズラーゲン
3.素子・パズラーゲンの構造
4.パズラーゲン・ユニット
5.パズラートの構造式
Ⅲ パズラートを作ろう
1.ユニット10枚以内でできるパズラート
2.正多面体
3.同じユニットでできる形体
Ⅳ パズラートの造形原理
1.融合の法則(Union Law)
2.分離の法則(Disunion Law)
3.陰陽の法則(Positive & Negative Law)
4.可逆性の法則(Reversibility Law)
Ⅴ パズラートの可能性
1.素子を作る原理(パズラーゲン・シートの作図法)
2.正十二面体を作る(Sタイプのパズラーゲン)
3.正多角形を構成する素子(パズラーゲン)
付表 パズラーゲン・ユニット表/共通
あとがき
本書の刊行は1998(平成10)年、14年前である。ちょうど、私がフォルクスハウスのシステム構築に傾注していた時代、彼の夢中になっていた思考実験がよく分かる。その徹底ぶりは、その表現形式の発明考案まで含む……、これ又、私がやってきた事と重なり、よく理解できるのである。
このパズラートは、現在のメディアの手法を使って再構築する必要があると思う。本書を見て、紙に印刷されたマニュアルでは限界を感じる。
CGを駆使し映像化しネットで公開する。このパズラートの魅力を多くの方々に伝える方法を考えているのである。
横田さん、その通りですね。私も同じ時期に同じ思考法で何物かを作り出そうとした事に驚いています。
よろしく……です。
軸足とする分野は互いに違いますが、よって立つ思想はまったくオーバーラップしています。ビックリです。手を拱かず、携えたいと思います。
Posted by: 横田至明 @ March 17, 2012 06:46 AM横田さん、どうもです。
ご著作を拝見……、十数年も前の仕組みが今でも有効(当然なのだが)なのに驚いています。しかし、今ならこうする……、そんな事を考えています。今の道具立てを束っての再構築こそパズラートに求められるものと考えます。
言いえて妙。最高の理解者が近くにいたのでした。確かに多くの人にパズラートの魅力を伝えるには、映像化しネット化する必要があります。しかし、私には技術的裏づけがありません。そこで、素子折りを∧∨-(山谷平)で指示する6桁(6箇所)構造式を提示し、これをパズルとして、「図のような形体を組んでみなさい」と突き放したのです。それは、いまでもそのままなのです。結果、魅力は好事家の知る人ぞ知るとなっているきらいはあります。
「多くの人にパズラートの魅力を」実現するには、あなたの技術が不可欠のようです。