住宅・インテリアの解剖図鑑 | [ Architecture , BOOKS ] |
本書の帯にある「上質な住まいをつくる新しいアイデアが満載」なる言葉で、凡百のインテリア指南書と同じく……と勘違いしてはいけない。その上の「名作……が教えてくれるデザインの基本」にこそ、本書の真骨頂があるのだ。
本書は「……先輩デザイナーによる名作インテリアからお知恵を拝借……」と前書きにある。その名作とは「20世紀前半から中頃」に生まれた、現代に連なるモダンデザイン、そして、それらを作り出した女性デザイナーに脚光をあてているのである。
11人の女性デザイナー達、モダン・キッチンの祖、マーガレット・リホツキー Margarete Schütte Lihotzky、アールトの妻、アイノ・アールト、ライトのスタッフだったマリオン・グリフィン、リートフェルトの施主だったトゥルース・シュレーダー、ミッド・センチュリー家具のフローレンス・ノール、チャールズ・イームズと一緒のレイ・イームズ、ミースの共同者、リリー・ライヒ、バウハウスのマリアンネ・ブラント、アルマ・プッシャー、そして、シャルロット・ペリアン、アイリーン・グレイなのだ。
彼女達の作品を取り上げて、インテリアデザインの諸相を語りながら、随所にあるコラムで理解を深めるという構成なのだ。
1章 住まいを「食」から考えよう キッチン、ダイニング
キッチン
基本のはなし 狭くすると家事は楽になる/省労力でエコなキッチン
使いやすいキッチンの黄金寸法/人に優しいキッチン ほか
ダイニング
基本のはなし テーブルは置く場所と座る人数で決まる
四角や丸でなくてもいい/リバーシブルなテーブル ほか
2章 人が集まる「しかけ」をつくる リビング、椅子がつくる空間
リビング
基本のはなし ブラインド・カーテンは屋内外の調整役
2階にリビング 今や常識/ゆるく間仕切る ほか
椅子がつくる空間
基本のはなし 椅子に座って何をする?
人に寄り添う椅子/はずむ 2本脚の椅子 ほか
3章 「ただの部屋」にはしない 寝室・書斎、子供部屋
寝室・書斎
基本のはなし 日本はビッグだった!ベッドの配置と寸法
囲まれている感が実に落ち着く ほか
子供部屋
基本のはなし 年齢と必要なスペースの大きさは比例しない
遊びながら片付ける/子どもの目線をずらす
4章 小さな空間は「ひと味」きかせて 玄関、水廻り、収納、間仕切
玄関
基本のはなし 光は見えれど、タマは見えず
「いらっしゃい」と迎えてくれるチェスト ほか
水廻り
おしゃれ気分を盛り上げる椅子 ほか
収納
死蔵厳禁!使える天井裏収納/しまえて、昇れる
モノにアドレスをつけよう/一望できるチェスト ほか
間仕切
コラム
1 波乱万丈の人生を生き抜いた不屈の精神
2 良妻賢母とデザイナー、心の葛藤
3 ライトの片腕として働いた建築家
4 リートフェルトの才能を発掘した女性
5 ミッド・センチュリー・モダンの女性デザイナー
6 ミースに影響を与えたデザイナー
7 パワフルで自然体な仕事の作法
8 バウハウスが生んだ女性デザイナー
9 コルビジェが嫉妬した空間
・作品リスト
・著者プロフィール
・参考文献
morii さん、どうもです。ぜひぜひ。いい本です。
Posted by: 秋山東一 @ February 3, 2012 07:22 AMいいですね。購入します。
Posted by: morii @ February 2, 2012 12:16 PM