三陸海岸大津波 | [ BOOKS ] |
3月11日の地震直後、テレビで見たヘリからの津波の映像には圧倒されてしまった。それも三陸ではなく仙台平野……に驚いた。その後に登場した三陸各地の津波の壊滅的な映像に、ただたただ驚くほかなかった。
それらは映像として記録された最初の日本の津波ではないだろうか。津波襲来が昼間の時間ということもあり、又、普通の人たちの持つデジカメや携帯電話、各所に設置されたカメラによって撮影された……ものであろう。
このように津波によって壊滅的な状況となった三陸……、その過去を記録した本書を書店で手にした。
1896年の明治三陸津波は最大38mにも達し、2万2000人以上の死者を出した。また869年の貞観津波の高さは、今回の3月11日に発生した津波にほぼ匹敵するものとされているのだ。
1 明治二十九年の津波
前 兆
被 害
挿 話
余 波
津波の歴史
2 昭和八年の津波
津波・海嘯・よだ
波 高
前 兆
来 襲
田老と津波
住 民
子供の眼
救 援
3 チリ地震津波
のっこ、のっことやって来た
予 知
津波との戦い
参考文献
あとがきー文庫化にあたって
再び文庫化にあたって
解説 記録する力 高山文彦
本書で明治の大津波からチリ大地震津波まで経験した古老が語っている「津波は、時世が変わってもなくならない、必ず今後も襲ってくる。しかし、今の人たちは色々な方法で十分警戒しているから、死ぬ人はめったにいないと思う」、それは残念ながら裏切られる事となったのだ。
これからの被災地の復興、それは今までの延長上にはない。新しい構想、土地利用、都市計画、建築計画等々……が求められていると考える。
Posted by 秋山東一 @ May 1, 2011 04:26 PM伊藤晋さん、はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます。ブログ記事拝読いたしました。
本エントリーは、本書「三陸……」の紹介でしたので書きませんでしたが、今回の津波は仙台平野の旧街道には至らなかった事、戦前まで仙台平野には居住の為の建物の建設は禁止されていたという事……をニュースで知りました。そのような先人達の知恵が活かされず、いつのまにか忘れられてしまった事実は大きいと思います。
本当に衝撃的な記録です。吉村さんの記録が生かされなくて残念でなりません。
私もブログに感想を書きましたので、お読みいただければ幸いです。
Fumancu 先生、どうもです。
私もなかなか読めなくていたのですが、震災以降、増刷して書店で手に入りますです。
今回の震災……本書は、もう一度、書かれねば……というところだと思います。
図書館に予約を入れましたが、この分では何時になったら廻って来るやら。
Posted by: Fumancu @ May 2, 2011 09:55 PMtecgnosis さん、どうもです。
いつもお読みいただいているとのこと、恐縮です。
本書を読んで、今回の地震の起こした津波被害について、やっぱり、人災ではなかったのかという思いを強く感じました。かっての経験を過小に評価してしまったのではないかと思うばかりです。又、津波に対する施設を過大に評価した結果でもあったのではないかと考えます。
三陸ではありませんが、今回、津波によって壊滅してしまった仙台平野では、旧街道まで今回の津波は至らなかったということです。又、戦前は居住してはならないという法的制限があったりしたとのことです。今回の被害は、それらの先人達の知恵を忘れた結果でありましょう。
被災地復興には、これからの津波に耐えられる考え、今までの考えに固執することない発想からの計画が求められていると思います。
秋山さん、こんにちは。いつも楽しく拝読しております。
私も「海の壁」読みました。子どもの作文などがとくに身につまされました。よほどこの地域は豊饒で魅力があるということなんでしょうね。
柳田邦夫の「2時間18分の恐怖」もお勧めです。スリーマイルを扱った本で、パニックの広がり方や、オペレータのミスなど、ハードが変わっても人はまったく変わらないということを再認識させられました。