二畳で豊かに住む | [ BOOKS , BeV Standard ] |
以前、黒澤明監督の「まあだだよ」を観たことがあったが、そこには、戦後の焼野原に作られた内田百閒夫妻の小屋がでてくる。どう見ても、住家というよりは、何か映画のセットにしか見えなかったが……、実際にはどうだったんだろ。
第1章 内田百閒、二畳に夫婦で住む
―作家が語る小屋生活
第2章 高村光太郎の山小屋
―雪深い里で詩作にはげむ
第3章 永井隆の二畳の如己堂
―原爆の町で平和を求めて
第4章 多摩川渡船場二畳の小屋
―氾濫したら持ち運ぶ
第5章 夏目漱石・中村是公、二人の二畳の下宿
―予備門時代を語る漱石
第6章 正岡子規の病床六尺
―ふとん一枚、これが我が世界
第7章 四国、村はずれのお茶堂
―遍路たちの一夜の宿
第8章 建築家提案の最小限住居
―極小空間の特色
おわりに―狭いながらも楽しい我が家
本書の第一章は内田百閒、終章である第八章は「建築家提案の最小限住居」だ。ここに網羅されているのは、戦後すぐに建てられたり、提案された小さな住居の姿なのだ。うかつにも初めて知った早稲田の安東勝男教授の「小住宅」の提案、そして、池辺陽の「立体最小限住宅」、増沢洵の「最小限住宅」が紹介される。
本書は「二畳」という言葉にちょっと挑発されてしまったが、住宅は「無目的な空間」であるという至言を再確認したのであった。
Posted by 秋山東一 @ May 6, 2011 04:58 AMまぁ、まぁって感じかな。読みよう……かな。
Posted by: 秋山東一 @ May 6, 2011 11:16 AM二畳といういろいろな「宇宙」が楽しめそうで、是非手にとってみたい一冊です。
Posted by: たかさん @ May 6, 2011 10:03 AM