110220

まほちゃんの家

BOOKS

487290284X.jpg


まほちゃんの家

著者: しまお まほ

ISBN: 978-4872902846
出版: WAVE出版
定価: 1,470-円(税込)

漫画家、しまおまほ(本名:島尾真帆)さんにお会いした。彼女は私の家の二男・秋山洋介の友人で、ちょっと建築的な相談事あるとの事でお会いしたのだ。
そこで、本書をいただいた。まぁ、まさしく「まほちゃんの家」のハードウェアについての相談であったから、その与条件の確認のための資料というわけである。

彼女は写真家・島尾伸三を父とし、同じく写真家・潮田登久子を母とする。しかし、高名な作家、島尾敏雄・みほ夫妻が祖父母であることから、その孫娘としてもよく語られている。

そんな父母、島尾の祖父母、潮田の祖父母を含めた「まほちゃんの家」が語られているのが本書なのだ。


目次
マヤさんのこと
まほちゃんの家
母との思い出
あの頃いた人
子どものわたし
父との父子家庭
引っ越しとやけど
かごしま
御茶ノ水
さようなら、ぴよこ!
一九八六年十一月
おしゃれ
島尾家の十二ヵ月
手紙
料理
進学塾
おばあちゃんは江戸っ子
仲良し
教育方針
アヒルのガーコ
豪徳寺駅
ミケ
初デート
奄美のまんまぁ
女子高生
父のタンポンとお酒
ゴリコとシマダ
バイト
アンチ
低気圧
お別れ

あとがき


彼女「まほちゃん」が生きてきた環境の全て、誰でもそうだが、自分自身で選択しえない大人に囲まれた子供の世界がここにある。

最初の「マヤさんのこと」で、父・伸三の妹・マヤの死の話から始まるのが象徴的だ。もっとも好きで友達のように付きあってきた叔母の死を語ることが本書の始まりとしてとても相応しいものと感じるのだ。そして、最後は「お別れ」、母の母……潮田の祖母の死が語られる。
死と死の間に挟まった、たくさんの事、幼い日々、小さい頃、テレビもトイレもなかったけど、親子三人で楽しく暮らしていました……、初めてのデート、塾通い、祖父・島尾敏雄、父と母……。とても感受性豊かで、素晴らしい表現力を持った少女がここにいるのだ。

さて、今度、豪徳寺のお家に伺う時は、「子どものわたし」に登場する、まだお寺の壁沿いに泊めてあるという宇宙船ガムー号を見てみたいと思っている。道路と一体化してガードレールとなっているそうだが……発見できるのかどうか心配である。

Posted by 秋山東一 @ February 20, 2011 08:32 PM
Comments

長坂のハッチさん、ごぶさたです。
明日は台風一過……八ケ岳山麓もずんと秋めくのでしょうか。
まほさんは、つい最近、「ガールフレンド」なる新著も出され、もうちょっと大人っぽくなられたような……。

Posted by: 秋山東一 @ September 21, 2011 10:43 PM

秋山さん おひさしぶりです。
長坂のハッチです。

9・19のアクションに参加されているに違いないと、ブログを除いたらこの記事に出会いました。

私、まほさんの大ファン。
でもそれ以上に、お母さんの潮田登久子さんが大好きなのです。
お父さんの「小高へ」も読みました。

島尾敏雄作品は、「死の棘」以前の初期のものの方が断然好み。
みほさんのことはスクーロフの映画で観ましたが、ちょっとコワイかも・・

この本、早速読んでみます。

こちらのほうにいらっしゃることがあれば、是非お寄り下さい。
ご一緒に山を見ながら、ランチでもしましょう!

Posted by: ハッチ @ September 21, 2011 08:02 PM

maho さん、どうもです。
たかだか、風邪……と思っていたのですが、なんだか、ずいぶんと時間がかかって……、やっと、人心地になりました。
もちろん、了解です。……まずは。

Posted by: 秋山東一 @ March 7, 2011 11:32 PM

ご紹介いただきありがとうございます!
また今年出版予定ですので、できたらお送りします。

あと、家のこと、なにとぞ・・・・

そして、お風邪の具合はいかがですか。
すこし暖かくなったと思ったら、この寒さ。
ネコも家

どうぞご自愛くださいませ。


しまお

Posted by: maho @ March 4, 2011 12:15 AM

そらさん、どうもです。
私はまったくの不勉強で、島尾敏雄は知っていても読んだ事のない……でありました。今回、この真帆さんの本の他に伸三さんからも本もいただいてきたのでありました。
この彼女の本は、とても面白く……島尾の皆さんにとても興味が湧いてきたところなのです。島尾敏雄の本も読んでみようと思っているのです。……「島尾敏雄と奥野健男」なる展覧会も興味あるところです。

Posted by: 秋山東一 @ February 24, 2011 01:36 AM

島尾敏雄さんの本も島尾伸三さんの本も持っていますが、まほさんの本は読んだことがありません。
マヤさんの章から始まるんですね…ぜひ読みたいと思います。

白根記念渋谷区郷土博物館・文学館で「島尾敏雄と奥野健男」展が開かれているようです。行きたいです…

Posted by: そら @ February 22, 2011 08:20 AM