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絵で見る 明治の東京

Architecture , BOOKS

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絵で見る 明治の東京

著者: 穂積和夫(絵と文)

ISBN: 978-4794217875
出版: 草思社
定価: 2,100-円(税込)

今年2月、穂積和夫氏自身のブログ[HOZKAZ Blog]の「hozkazの建造物シリーズ」なる記事に「……わたしは現在「明治の東京(仮題)」を執筆中で、秋にはなんとか上梓したいと思っています。……」と書かれていた。
日本人はどのように建造物をつくってきたか」全十巻以来、ひさしぶり……11年ぶりの建物の本、大いに期待なのであった。

きっと出版されたらブログに書かれると思っていたが、7月4日の「復元の意味と現状」という記事以来、何事もなく……であった。もう年末、出ているのかしらと検索してみたら、出ていたのである。早速、amazon に「お急ぎ便」で注文したのである。

「日本人はどのように建造物をつくってきたか」は絵本という体裁だったが、本書はずっと小振りの厚みのある単行本である。本書では、穂積和夫氏はイラストレーション・絵のみならず文もものしておられるのだ。名実ともに全部穂積和夫という本なのである。

237頁余りに160枚の大小のイラストレーション、建物から時代の風俗に至るまで、まさしく「絵で見る……」明治時代の東京がよみがえるのだ。


目次
一 文明開化
二 新しい国づくり
三 町の施設
四 言論の時代
五 東京の町づくり
六 市民の生活
七 町の楽しみ
八 明治のたそがれ

明治の東京・関連年表
参考図書
あとがき


穂積和夫氏は1930年生れ……今年で80歳になられた、本書の絵にはなんの衰えもなく力強い……、本当に上手なんだなぁ……と感じるのだ。

明治の面影もなきに等しい今の東京……、残された史料、研究された資料から明治の姿を再構築する……、それも穂積さんの眼を通して、その姿を見られることは至福の時間であるのだ。

建物のみならず、市井の生活のの細部、特にファッション等々に詳しい記述……、実に、穂積さんらしい本なのだ。

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明治後期の銀座尾張町交叉点、現在の銀座四丁目交差点だ。和光(服部時計店)の時計台がある。今の Apple Store Ginza がある姿なんて想像できないなぁ。

Posted by 秋山東一 @ November 29, 2010 12:02 AM
Comments

miles さん、どうもです。
きっと、miles さんのお好みの本でありますですよ。
穂積さんが Twitter をおやりになっているようには見えませんが、これだけの本の絵と文……、80歳になられて制作なさるエネルギーは大変なものですね。
四年前に。この aki's STOCKTAKING のエントリー「日本人はどのように建造物をつくってきたか」に、直接コメントをいただいて……うれしゅうございました。
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/001229.html

Posted by: 秋山東一 @ November 29, 2010 11:25 AM

TRADの生き字引、穂積さんのHOZKAZブログを楽しみに見ていましたが、最近はトゥイッターに没頭されているのか更新がありません。
頑とした哲学をお持ちの方なので、この本もヒジョーに興味があります。

Posted by: miles @ November 29, 2010 10:38 AM