Arnold Nr.580 TIN TANK | [ TANK , TOYS ] |
新しい TIN TOY 到来……というわけで、キィを見せたり、箱を見せびらかしたりしていたのだが、中身の TIN TOY……は、このブリキのタンク TIN TANK である。
eBay TIN TANK……、これは十年越しのリベンジ……というわけで、身内のオークションのベテランの手によってゲットに至ったのである。
アーノルド社は1906年にニュールンベルグに、Karl Arnold によって創立された。戦後1950年初期、ブリキ玩具の輸出で成功した。まさしく、これはブリキ玩具のヴィンテージ時代の逸品なのだ。
フェンダーの付いた車体に、固定された小さな砲塔、玩具っぽいプロポーションがすてきだ。
白い星のマークは対輸出国である米国向け、いかにも第2次世界大戦後の米国中心の世界の反映ではある。
もちろん、独特のデザインのキイが付いているように、ゼンマイ動力で走行する。ダンダンと轟音を発し、火花を発するギミックが付いている。
大きさは全長140mm全幅90mm全高75mm、手の平のにのる……という大きさである。
その最大の特徴は、多くの TIN TANK がゴム製のキャタピラであるのに比して、キャタピラもブリキ製の連結式で、一齣一齣を繋いでいるのだ。すばらしい。
二つのブリキ製の車輪にキャタピラが掛かっている。どのように駆動させるか興味があったのだが、ゴム製のキャタピラと同じく摩擦で……、後輪の車軸をバネで引張ってテンションを与えている。
小さな砲塔の極端な上に主砲らしきもの、その下部の開口はライター石による発火装置の火花が出るところだ。
砲塔後部には上下に動くレバー状の筒があり、何かの機能が……と思ったが、何もなく後部についた対空砲なんて意味なのかも知れない。
その下に水平に動かすレバーがあり、ゼンマイ動力の ON/OFF のハンドブレーキの役割をしている。
これの優れた点は、このような小部品も全てブリキのプレス製であることだ。ちょっとテーパーのついた主砲でさえ、ダイキャスト部品ということもなくプレス製なのである。両側に付いた排気管らしきものも同じくなのである。
前後に長く延びたフェンダーはなかなか優雅な印象さえ与える。これも魅力的なデザインなのである。
前面上部から見たところ、小さな砲塔が、玩具していて実に可愛らしい。プレスされたルーバー表現がいかにもブリキしている。
フェンダーには両側各々、四つの小判形の開口部がある。実際にはありえないものだが、金属製のキャタピラを、上からも見せたい……見せたいというデザインなのである。
タンクの最大の魅力は、模型であれ玩具であれ、無限軌道……キャタピラの魅力であることを遺憾なく示しているのである。
Mint Condition ミントとは言えないが、完全に動作する半世紀前の物、箱付きで、オリジナルのキィもあるのだ。
いやぁ、なかなかの逸品……矯めつ眇めつ……しているのである。
● Arnold Nr.580 TIN TANK
● Arnold Nr.580
● Tin Toy Key
● eBay / TIN TANK
玉井さん、どうもです。
おっしゃっている箱絵は、キャタピラが切れて頓挫しているタンクを描いています。後ろに笑っている子供とハサミが描いてあります。これは、ゴムのキャタピラではこんなリアルな事は起こらないけれど、こいつはね……という意味なのでありましょう。
車軸をバネで引っ張る仕掛けは、金属の連結式キャタピラ以後の事でありましょう。ゴムの輪状のキャタピラでは必要ありません。
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/Arnold580_box_20.html
ゴムのキャタピラが先だったんですか。あらためて箱の絵を見ると、キャタピラが傍らに置いてあるのがあるのは、何をいいたいんだろうなどと気になります。
オモチャをそういう方向に進化させるという姿勢は、すごいですね。キャタピラがゴムだったらバネで車軸を引っ張るという仕組みは必ずしも要らないと思いますが、ゴムのキャタピラでも車軸受けの負担を減らすためにつけるものなんですか?
玉井さん、どうもです。
ふっふっふっ……いいでしょう。
>キャタピラーが摩擦で動いているというのは、わずかにご不満……というわけでもありません。
キャタピラを歯車で駆動するのは……なかなか難しい。特に、このような玩具レベルでは精度がありませんから。
おっしゃるように、ゴムキャタピラに変える……ということではなく、反対にゴムキャタピラからの’進化した……というのを感じます。二つの車輪はゴムキャタピラの為に最適化された形状なのですから……、そこを金属製キャタピラに……ちょっと変えて……というのが真相なのです。
なるほどね。
満足そうに手に取ったり眺めたり写真を撮り直したり、走らせてはムービーに撮ったり、AKIさんの満足のほどが目に浮かびます。そのうち、触らせてください。よーく手を洗っておきますから。
キャタピラーが摩擦で動いているというのは、わずかにご不満がのこるのでしょうか。どこか引っかかるようにするのがそれほどむずかしいとは思いませんが、いずれゴムのキャタピラに変えるときのために摩擦にしたんでしょうか。
今井さん、どうもです。
TIN TOY を新しくゲット……なんて久しぶりの事ですが、こいつはとても満足しております。ブリキのキャタピラを履いているってのは、この Arnold が唯一と思います。
もしやTIN TOYが、と思っておじゃましてみました。良かったですね。いぶし銀という感じがします。私もいただいたキューベルワーゲン宝物にしています。
Posted by: 今井孝昌 @ March 28, 2010 12:40 PMKURITA さん、どうもです。
やぁ、その通りなんです。いろいろとネット上で TIN TANK を見ていますが、もうこれ以上のものはないんじゃないかと思っています。
上がり……ならいいのですが。
本当にお好きな一品が手に入ったようですね!!
こちらも一粒で三度、おいしい思いをさせていただきました。
むかしプレゼントしていただいた356のTIN TOYも、元気にしております。
Posted by: KURITA @ March 28, 2010 10:14 AM