太平洋戦争、七つの謎 | [ BOOKS ] |
太平洋戦争、七つの謎 —官僚と軍隊と日本人
角川oneテーマ21・新書
著者: 保阪 正康
ISBN: 978-4047102224
出版: 角川書店
価格: 740-円 (税込)
本書の書名は「太平洋戦争、七つの謎」……、帯には「山本五十六の死は自殺だったのか?」ときては週刊誌そのものなのだが、中味は至極全うな保阪正康氏の一連の太平洋戦争の考察なのだ。
最近になって表に出てきた資料など、それらに基づいて太平洋戦争を七つの問題として解説しているのだ。
第一章 誰が開戦を決めたのか?
第二章 戦時下の国民は戦争をどう捉えていたのか?
第三章 山本五十六はなぜ前線に行って死んだのか?
第四章 なぜ人を武器にする戦略が生まれたのか?
第五章 日本の軍事指導者たちの敗戦の理由
第六章 誰が終戦を決めたのか?
第七章 もし本土決戦が行われていたらどうなっていたのか?
おわりに
あとがき
第五章「日本の軍事指導者たちの敗戦の理由」の中で、2008年に発掘されたという東条英機の敗戦の弁には驚きを禁じえない。この太平洋戦争の最大の指導者にとっての戦争の理解とはこんなものであったのか。
半世紀以上の間、その太平洋戦争の総括なしに……、今があるのだ。
真剣に書いた書き込みをけすなんてひどいです
Posted by: ・・・ @ July 4, 2010 04:08 PMkawa さん、どうもです。
2008年夏に公表された東條英機の終戦直前、ポツダム宣言受諾後の文書の一部が本書に載っています。
「……然るに事志と違ひ四年後の今日国際情勢は危急に立つに至りと雖尚ほ相当の実力を保持しながら遂にその実力を十二分に発揮するに至らず、もろくも敵の脅威に脅へ簡単に手を挙ぐるに至るが如き国政指導者及び国民の無気魂なりとは夢想だにせざりし処之に基礎を置きて戦争指導に当りたる不明は開戦当時の責任者として深く其の責を感ずる処、上御一人に対し又国民に対し申訳なき限り……」
まぁ、この程度の人物によって太平洋戦争は指導されていたのです。
kass さん、どうもです。
情報の軽さ……ってところなのかなぁ、中味も講演録だったり、対談だったり、聞き書きだったり……まぁ、岩波新書に代表される教養主義はもうお終いなのかもですね。
NHK の TV で視た、海軍反省……会だったかな、生き残った参謀達の高笑が耳につきました。独駐在武官として生き残った海軍軍人が東京裁判での弁護側として奔走する姿も見ましたが、自分の組織(官僚としての)の為にしか考えず、自分自身達が引き起こした戦争への真摯な問いかけを感じないものでありました。
こんな事を言うと戦争を知る人には怒られそうですが、私の場合、もしかすると戦争が嫌いなのではないのかも知れない、嫌いなのは日本の軍隊なのかも知れない。日本の軍隊が嫌いなのではなく、日本という仕組みが嫌いなのかも知れない。
そうした日本が何をやって来たかも隠して、自虐史観は良く無いなどと言い出すやつは、自らの非を認めない、潔さとは一番遠くにいる人達だと思います。
相手と戦う前に食料の配給もなく死んで行った日本人と我が身だけは違うはずと信じるという意味で、想像力に欠けるというよりはバカでしょう。
炎上してもいけないので、早々に消して下さい。
「新書の粗製濫造」は、経済的な水準が下がってきたからではないでしょうか。書籍としてのフォーマットはできているから安く簡単に制作できて、読者の安っぽいプライドも刺激できる、等々。新書の未来がどうなるかは知りませんが…
先日、半藤一利の「昭和史」を読みましたが、軍部の指導者たちの杜撰さといったらひどいものですね。もっと恐ろしいのは、そういうメンタリティが現在も当たり前のように大手を振っているということだと思います。
app さん、どうもです。
太平洋戦争の総括なしに……は、社会的なシステムとして、戦争中そのままが継続したと言えるのではないかと思っているからです。
「敗戦後のどん底を・・」で、何をお考えになっているのか分かりませんが、現代の日本はより厳しい局面に立ち入っているのではないかと考えています。
太平洋戦争の総括なし・・・は、ある意味現在日本の推進力を形成し、その半面今の日本が抱える諸問題を引き起こしているような気がします。
戦後世代ですが、政治・不況を嘆くより、敗戦後のどん底を・・と思うのは私だけでしょうか。。。