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オットー OTTO

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オットー OTTO
―戦火をくぐったテディベア

作者: トミー ウンゲラー Tomi Ungerer
訳者: 鏡 哲生


ISBN: 978-4566008007
出版: 評論社
定価: 1,365-円(税込)

芸術新潮のトミ・ウンゲラー特集をみていたら、……そういえば、最近のトミ・ウンゲラーの絵本って手にしたことないが、どんなんかなぁ……と思った。amazon に、この「オットー」なる絵本を注文した。原書は1999年出版だから十年も前のものだ。


第二次世界大戦前、ドイツの小さな工場で生まれた熊のヌイグルミは男の子の誕生日プレゼントとして登場する、男の子の友人、二人に OTTO オットーと名付けられ幸せな日々をおくる。

そして、戦争、男の子はユダヤ人であった。遠く強制収容所に送られる時、OTTO は友人に託される。その戦争によって男の子二人と OTTO ははちりぢりバラバラにされていくのだ。

………そして、戦後、OTTO は骨董屋のショーウインドウに飾られている。運命やいかに……。

というのがお話なのだ。

絵はいかにもトミ・ウンゲラー……、ちょっとゆるくなった……という感じだが、相変わらずの毒……は健在だ。


この OTTO の話を読みながら、私も昔、熊のヌイグルミを持っていたのを思い出した。……私の幼少の頃の記憶はすこぶるいいのだ。

戦後すぐ、私が三才の頃、近くの甲州街道で一人で遊んでいた。あの頃は車なんてめったに通らなかったし、車って進駐軍(アメリカ占領軍)のものであったのだ。その時、熊のヌイグルミを持って出たのがいけなかった。
日野の方向から歩いて来た見知らぬ男が「坊や、いい物を持っているね」と言って、私の手から熊のヌイグルミを取ると、そのまま、大和田橋の方向に歩いていってしまったのだ。
なにがなんだか分からないまま、ぼーっとしていたのを覚えているが、これは母に報告しなきゃと家に戻った。母はすぐ甲州街道に出たが、すでに男の姿はなかった。

きっと、誰かの手にお土産として贈られたものであろう。
戦後すぐのその頃、子供の玩具なんてどこを探してもなかった時代なのだ。


追記 090731

友人が東京の国立でテディベア専門店「RED BARROW レッドバロウ」なるお店をやっている。

 ● テディベア・シュタイフ・チーキーとイギリス・フランス・アンティークのレッドバロウ シュタイフ社テディベア・メリーソート社チーキー・アンティーク買取します!!東京都国立市です。


Posted by 秋山東一 @ July 31, 2009 04:02 AM
Comments

わきたさん、やぁ、どうなんでしょう。
この時、母は25才ってところですが、私3才には鯨尺はまだ早いってところでしょう。3才のわきたさんも、きっと可愛かった……でありましょう。

Posted by: 秋山東一 @ July 31, 2009 06:24 PM

秋山さん、自分のばあいだと……ですかね~。

Posted by: わきた・けんいち @ July 31, 2009 05:30 PM

わきたさん、どうもです。まぁ、無理をなさらずに……。
母は一大事とばかり現場に私を連れて駆けつけましたが、私を怒ったりはせず「しょうがないわねぇ」というような顔をしていたと思います。まぁ、鯨尺でたたかれたという記憶はありませんが……、その頃は、私は三才で、とても可愛かったはず……です。

Posted by: 秋山東一 @ July 31, 2009 04:06 PM

秋山さん、こんにちは。
ぼちぼち…といいながら、まだまだ…です。
さて、ちょっと伺いたかったのは、鯨尺のお母様にお伝えになったあと、お母様の反応はいかがなものだったのでしょうか。ちょっと、気になります…。

Posted by: わきた・けんいち @ July 31, 2009 02:44 PM

iGa さん、どうもです。
自分の物を勝手に持っていってしまう人がいるなんて……初めての経験だったので訳が分からず、じーっと男の後姿を見ていたのです。後ろを振り返ることなく行ってしまう男の姿を鮮明に覚えています。やっと、我に返って母に伝えなくちゃ……と思ったのでありました。

Posted by: 秋山東一 @ July 31, 2009 10:19 AM

>「坊や、いい物を持っているね」

akiさんと同世代の長兄にもそんなことがあったようで、似たような話しを母から聞いた事があります。

Posted by: iGa @ July 31, 2009 08:54 AM