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考えなしの行動?

BOOKS

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考えなしの行動? 

著者: ジェーン・フルトン・スーリ+IDEO
訳者: 森 博嗣

ISBN: 978-4778311797
出版社: 太田出版
価格: 1,554-円(税込)

今年1月末にエントリーした「Thoughtless Acts?」の翻訳本が出版された。翻訳はあの森博嗣氏、原書は凝った装丁の文庫本サイズだったが、新書判サイズで登場だ。

本書は「人間観察」がテーマだ。人間の無意識な行動、それにしては意味あるなりわいの標本採集というものなのだが、人間行動の BARRACK finder というようなものなのだ。


目次
  訳者まえがき 着眼と発想のエクササイズ 森 博嗣

作用? 私たちは、自分たちが遭遇する物体や空間と、自動的にやりとりをしている。
反応? ある特質や特色が、私たちに特定の方法で振る舞うようにしむける。
同化? 私たちは、身近な環境に存在する機会を活用する。
活用? 私たちは、自分が知っている物理的、機械的性質を利用する。
適合? 私たちは、自分の目的に会わせて、ものの用途や状況を作り替える。
順応? 私たちは、社会や文化的集団において、他者から行動のパターンを学習する。
合図? 私たちは、メッセージを伝え、自分や他者に催促する。

  著者あとがき 考えなしの行動の組み立て ジェーン・フルトン・スーリ
  深澤直人より、著者ジェーンへ


本書は、原書の構成を忠実に再現したものだが、大きな違いは、一つ一つの写真に解説が付いているところだ。原書ではドリルという趣きで、写真だけが提示され、その解答は....巻末にあるという構成なのだ。本書は一般の人向けの工夫なのだ。訳者・森博嗣氏は、デザインの専門家であるならば原書をあたるべし.......と言っておられる。

 ● Thoughtless Acts?

本書まえがき「着眼と発想のエクササイズ」で、訳者・森博嗣は一つのデザイン論を展開している。全てのデザインに、「着眼」と「発想」.......「閃き」.......、そこに原点があることを語っている。

この STOCKTAKING の BARRACK finder も又、「着眼と発想のエクササイズ」なのである。

Posted by 秋山東一 @ June 19, 2009 04:32 AM
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