イカの哲学 | [ BOOKS ] |
イカの哲学
集英社新書
著者: 中沢 新一・波多野 一郎
ISBN: 978-4087204308
出版: 集英社
価格: 714-円 (税込)
本書はサンドイッチのように、その中心に、1965年に波多野一郎なる人物が著わした「烏賊の哲学—a key for the peace—」なる小さな本 (本書166頁中34頁) を据えて、中沢新一による導入と論考がパンのように挟んでいるのだ。
「烏賊の哲学」の著者、波多野一郎は1922年、京都府綾部に製糸業 (現グンゼ株式会社) を起こした人物の孫として生れた。1942年に早稲田大学に入学するも学徒兵として陸軍航空隊に入隊、1945年7月、特攻隊として出撃命令を受けるが、することなく満州で敗戦を迎え、シベリアに勾留され過酷な状況下での炭鉱労働を経て1949年帰国した。
1951年に米スタンフォード大学に留学し、プラグマティズム哲学の研究で修士課程を修了して帰国し、1965年に「烏賊の哲学」を刊行し、1969年に脳腫瘍によって46歳で没する。
イカの哲学 波多野 一郎
イカの哲学から平和学の土台をつくる
1 イカとカミカゼ
2 生命の深みで戦争と平和を考える
3 実存は戦争を抑止する
4 超戦争に対峙する超平和
5 エコロジーと平和学をつなぐ
おわりに
中沢新一はその「イカの哲学」を、ジョルジュ・バタイユのエロティシズム論を援用しながら展開させ、平和学とエコロジーをつなぎ、それらを再構築していくのである。
あっ!!この本、さっそく買います。
Posted by: わきた・けんいち @ April 21, 2008 12:39 PMおもしろそうな、本ですね...。
そして先生の「本書はサンドイッチのように.......導入と論考がパンのように包んでいるのだ。」
という文も、とてもわかりやすいですね...名文です...笑(失礼しました...笑)。