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八王子駅 /1952年

Architecture , Hachioji , TRANSPORT

Hachioji_station_0.jpg link  flickr 57670030

国鉄八王子駅北口の駅舎の1952年の写真である。

先のエントリーのコメント欄で、inuko さんにこの写真が写真共有サイト flickr にあることをお教えいただいた。「とても未来風、SFっぽい駅だったんですね。。。」と言っておられるが、まさしくモダン、ル・コルビュジェ(iGa さんはイタリア・モダンと言っておった)を彷彿とさせる意匠なのだ。もちろん、八王子で一番モダンな建物だが、全国の国鉄駅舎でも最先端のものであろう。

この写真は、その頃、我が国に駐留していた米軍軍属(横田基地らしき写真が多数ある)の撮影したもののようだ。1952年、既にカラーポジフィルムを使っているというのがすごい。

季節は小春日和というような時期か、そして夕方近く影が長い。1950年に始った朝鮮戦争も休戦となり、撮影者の米兵にとってもゆったりとした気分であったであろう。

Hachioji_station_1.jpg

道路は未だ土のまま、駅前の人力車、そしてポストを見ると、建物とのアンバランスが際立っている。

建物を入って真っ正面に改札口、左手には出札口と待合室があった。ガラス張りの部分だ。その向こうには鉄平石張りの壁、そして荷物預かり所、チッキの荷物の受け渡し場でもあった。
右手、ポストの後のルーバーの裏側に鉄平石とガラスの部分があり、電報電話局が入っていた。

私にとって高校進学1958年から、立川への電車通学で日々利用することになるが、この駅舎は、今の「そごう」の入った駅ビル「八王子ナウ」が建った1983年まで使われていたと思うが.......さて調べてみなくちゃ。


iGa さんの MADCONNECTION のエントリーに1980年の八王子駅北口の記事がある。

 ● MADCONNECTION: かなりピンぼけ 父の遺した写真

なるほど、1952年から28年も経てば大分進化している、既に人力車はない。アーケードが付加されていたり、駅前ロータリーが整備されてはいるが同じ建物が使われていたのであろう。

その後、駅ビル「八王子ナウ」の工事が始る。

 ● aki's STOCKTAKING: 八王子 /1983年冬


追記 071029

この八王子駅北口の駅頭で行われた、私の父の歓迎式なる行事の記事をエントリーした。

 ● aki's STOCKTAKING: 八王子駅 /1953年春


追記 071114

その時の写真だが、違う写真があった。駅舎の詳細も、通行人の服装もよく分かる。

Hachioji_station_21.jpg
link
  flickr 57670007


Posted by 秋山東一 @ October 28, 2007 02:33 PM
Comments

kadoorie-ave さん、どうもです。
八王子駅を使ってことのある方が多くおられるのに驚いています。
まわりの環境の変化や、いろいろ駅自体が変っていく過程のなかで、私達にとって通過する駅という存在は見えないものなのかも知れません。

Posted by: 秋山東一 @ October 31, 2007 10:37 AM

1983年まで使われていたとすると、私も日々利用していたはずなのですが....こんなにモダンで美しい駅舎だったとは。まるっきり気付きませんでした。『八王子』の文字も簡素で素敵ですねぇ!

Posted by: kadoorie-ave @ October 31, 2007 07:25 AM

かん さん、どうもです。
私もこの駅を使うようになってからの記憶って....何もないって言ってもいいくらいです。この駅がこんなにきれいだったころは、幼くて...ですが、一度、叔父とチッキの荷物を取りにいった時、駅の仕掛けに興味を持ったくらいです。

Posted by: 秋山東一 @ October 29, 2007 04:32 PM

この駅舎、自分もカミさんも散々使ったはずなんですがどちらも記憶にありませんでした。駅舎自体は変わってなくてもアーケードとか、周辺の建物の変化で記憶が変容してるみたいです。

Posted by: かん @ October 29, 2007 12:53 PM

kazuhiko さん、どうもです。
さすが......自転車博士....はご存じであらせられたのだ。
「厚生車」をネットで探すと言葉だけあって、何か特装車をイメージしていたのですが、「輪タク」だったんですね。

Posted by: 秋山東一 @ October 29, 2007 09:59 AM

厚生車は「輪タク」つまり3輪の自転車タクシーを指すらしいですよ。
写真をみると現在だと言ってもまったくわからない人もいるくらい先へ行ってますね。コルビジェ、レーモンドと最近つづけて展覧会を見ているので、知りもしない時代を交錯回顧してしまいます。
米軍の方でしょうか、人力車の写真を撮ってますね。

Posted by: kazuhiko @ October 29, 2007 09:48 AM

flickr でオリジナルの写真(1570 x 1024)をダウンロードして見ると、いろいろ面白い発見がある。
人力車の横の立看板というのか高札というのか...には、「人力車」の横には、タクシーを意味する「営業車」とでもあるのかと思ったら、「厚生車」とあるようだ。「厚生車」という言葉はあるようだが、さてどんな車なんだろ。

Posted by: 秋山東一 @ October 29, 2007 09:31 AM

inuko さん、どうもです。
今回、この写真で、そのモダンデザイン振りを思いだしました。時間と共に建物は変質していきますから、アーケードがつくのも HOW BUILDINGS LEARN なのでありましょう。
しかし、写真のレベルの高さ、退色もせずシャープな画像ですね。水平垂直を整えてしまい、ちょっと、そのあたり損ねてしまいました。

Posted by: 秋山東一 @ October 29, 2007 08:25 AM

詳しい解説、ありがとうございます。
いったいこの駅の中がどうなっているのか??興味津々だったのです。

こんなに未来風な建物なのに、「電報局」というのが、また味わい深いです!!

しかし、アーケードがつくと、ずいぶん印象がかわるものですねー

Posted by: inuko @ October 28, 2007 06:46 PM