一 九 七 二 | [ ABOUT , BOOKS ] |
一九七二「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」
文春文庫
著者: 坪内 祐三
ISBN: 4167679795
出版: 文藝春秋
定価: 710-円(税込)
著者は第一回「なぜ、この年なのか」から始める。
「............つまり、高度成長期の大きな文化変動は1964年に始まり、1968年をピークに、1972年に完了すると。さらに言えば、1972年こそは、ひとつの時代の「はじまりのおわり」であり、「おわりのはじまり」でもあるのだと。」
著者・坪内祐三は1958年生まれ、この一つの時代、それを少年の目で見てきた世代だ。
著者より16年も年上の私にとって、22才から30才の時代、20代の時代の全て、建築を学ぶ学生から設計事務所での実務、そして、やみくもに独立して自分の事務所を構えるという時代であった。
1964年10月10日の東京オリンピック、その時、芸大建築科の3年生だった私と大行とは上野からバスに乗って開会式の行われている外苑の競技場をかすめるように新宿にでかけた。1968年には二年ほど余計にいた芸大建築科を卒業し東孝光氏の事務所に入った。2年後の大阪万博を前にして忙しい時代であった。
そして、1972年、東事務所を退所、なんのあてもないまま、独立して自分の事務所を構えようとしていた。それに結婚までしようとしていたのだ。
私にとっても1972年は、まさしく、「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」であったのだ。
iGa さん、どうもです。
1972年に本書の著者・坪内祐三14才が、最大の関心をもつのは「十四歳の少年が大盛堂書店の地下で目にしたもの」ポルノでありました。
彼が「なぜ、この年なのか」という問題を提議し、それを証明するという本ではありませんでした。その時代の事象、世相を週刊誌的に掘り起こし、読者の想像力を喚起させる.......てな感じなのかな。
しかし、その時代、ロックもピアも......私にはあまり関係のないものでありました。
考えてみると僕が14歳のときも「おわりのはじまり」でしたね。
ていうか、社会に関心を持ちはじめる年頃なのかな。
朝目覚めると、母が「大変な事になった。」と騒いでいた。
何かと思ったらJ.F.K.の暗殺が初のTV衛星中継で配信されている最中だった。
母は暗殺が切っ掛けでマジで第三次世界大戦になるかと思ったみたい。
Wikipediaで1963年を検索すると、この年も変革の時代だった。
平穏な年を探すほうが難しいでしょうが、1972年が興味深いのはこの年に筒井康隆が『家族八景』、『馬の首風雲録』、『にぎやかな未来』、『48億の妄想』、『俗物図鑑』、等の代表作を発表していたこと。まったく、今の世の中、筒井康隆が1970年代に書いたSFドタバタ小説そのもの。そういえば「アフリカの爆弾」もこの年でした。
Posted by: iGa @ November 14, 2006 10:08 AMkassue さん、どうもです。
命令放送、核武装、美しい日本、と怪しげな世界が浮かび上がってきたような気がします。将来の「今」から見た、あの時、その時がエポックメーキングなものとして語られることになるでありましょう。
ブログ、面白くいたしましょう。まずは。
かなり刺激的な見出しが並んでますね。
74年生まれの私にも気になるキーワードだらけです。
今30代の私にとって、90年代・00年代が、30年後にここまで暑苦しい記憶となるんでしょうかねぇ?
話し変わって、ブログを始めました。リンクさせていただきましたので報告いたします。
http://blog.livedoor.jp/kass_0/