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OM Handbook

BOOKS , OM/VOLKS HAUS

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この OM Handbook は1991年2月に刊行された。

OMソーラー協会とOM研究所が設立されたのが1987年の3月、その後、3年余りのOMソーラーの普及、その技術の進展はこのような出版物を必要としていた。又、それを制作しうる程、OM世界は成熟したものとなっていた。その監修は奥村昭雄先生、編集は真鍋弘編集長であった。

それまでOMの技術についての図書は、「OMソーラー設計マニュアル」(1987年5月)「施工虎の巻」(1989年4月)「シミュレーションを読む」(1989年4月)の三冊があった。当初、それらを合本というような構想で出発した「OMハンドブック」であったが、その目論見を大きく超えて、立派なツールとして登場した。
このハンドブックは将来的な変更、進歩に耐えられるよう加除式のバインダー方式を採用、その時点でのOMソーラーの最新の知見を十二分に取り入れた画期的なものであった。

ハンドブックは A章から G章までの7章で構成され、A章のOMソーラーの原理的な解説から、B章の設計計画、C章のシミュレーション、そしてディテールシートから、施工手順の解説、実務的な部材部品の発注書、そして研究者レベルのデータまで含んだものであった。

私は A章の「OMソーラーの原理と仕掛」の六枚の図版を担当した。Macaulay のように、Moebius のようにと気張ってみるが、やっぱり自分のレベルのものにしかならない。

A05 OMソーラーの空気の流れ
A06 屋根集熱の仕組み
A07 OMハンドリングボックスの働き
A08 蓄熱床の働き 
A09 お湯採りの仕組み
A10 温度コントロールの仕組み

05から08までの図版は今までもあったものであり、内容もこなれたものであったが、「09 お湯採りの仕組み」と「10 温度コントロールの仕組み」の二つは前例がなく、どう表現したらいいのか、いろいろと試行錯誤したが、結果には満足している。

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編集作業がヒートアップしていた頃、この六枚の図版が期限に遅れ、真鍋編集長のお心を大いに痛めたのは言うまでもない。この場で、いさぎよくお詫び申し上げるのである。

Posted by 秋山東一 @ July 12, 2006 08:09 AM
Comments

iGa さん、どうもです。
めっかったらエントリーして、もちろん見せてね。

Posted by: 秋山東一 @ July 13, 2006 05:22 PM

Moebiusと未来世紀ブラジルを特集した、おフランス製のマルチメディアCDを持っていたのだが、どこに仕舞ったか記憶を検索中。

Posted by: iGa @ July 13, 2006 10:41 AM

>alpshima さん、どうもです。

Whole Earth Catalog を感じてくださったなんて聞くと、うれしくなります。
カタログ、マニュアル、図解、それを作ることの基本は Whole Earth Catalog で学んだと思っています。

>komachi さん、どうもです。

そうですね。OMソーラーという仕掛けは、面白さというところで、あの頃が頂点だったのかも知れませんね。
その後、私はフォルクスハウスのマニュアルを作りますが、そのマニュアル類を大事に育てていくという精神まで、失われていってしまったような気がします。マニュアルの伝統は、かろうじてBe-h@usのマニュアルで守っていると言えます。

Posted by: 秋山東一 @ July 12, 2006 09:25 PM

Akiさん、こんにちは。OMはその後、ずいぶんと進化したのですが、基本的なことはすべてあのマニュアルで完了している。とくにOMの面白さという点ではあの時期が頂点だったと、個人的には思います。そう、あの頃はマッコーレイといっしょにメビウスも話題になりましたね。

Posted by: komachi @ July 12, 2006 08:46 AM

akiさま。

何となく、あのWhole Earth Catalogを彷彿とさせてくれる、雰囲気です。それにしても、イラストの解りやすさが、秋山さんの底力を証明していますね。

                   alpshima

Posted by: alpshima @ July 12, 2006 08:16 AM