060828

Brunelleschi's Dome

Architecture , BOOKS , Google Earth

Brunelleshi-and-Duomo-of-Florence.gif建築知識200609の「BOOKREVIEW[1] 技術を支配した者」をちょっと抜粋した。


イタリア、フィレンツエにでかけ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 Santa Maria del Fiore を見ない者はいないであろう。まぁ、出かけるまでもなく、そのクーポラはイタリアルネッサンスの象徴であり、観光ポスターやコマーシャルにも登場する。その八角形のクーポラは内径43m、組積造のドームとして世界最大なのだ。そのクーポラをつくったのが、金細工師にして時計職人のフィリッポ・ブルネレスキだ。

1418年夏、建設中の大聖堂のクーポラの建設のコンペティションの布告が出された。その時、ブルネレスキは41才。彼は、それまで必須と考えられていた木製の迫枠なしで建設するという提案をもってコンペを勝ち取り、そして、生涯をかけてそのクーポラの完成を目指した。

click!  ウィキペディア Wikipedia より

『天才建築家ブルネレスキ』は、その輝かしいルネサンスの始まり、壮大な建築プロジェクトの物語で、 歴史小説家ロス・キングが初めてのノンフィクションとして2000年に刊行したベストセラーの翻訳本だ。原題 Brunelleschi's Dome/How a Renaissance Genius Reinvented Architecture を翻訳すれば、「ブルネレスキのドーム/ルネサンスの天才は建築をいかに再生させたか」。

もちろん、主人公はブルネレスキだが、それだけではなくクーポラの建設と、それが象徴するルネサンスの息吹が語られていく。無味乾燥な歴史的な記述とうってかわった、生々しく血の通った世界、嫉妬、縄張り、裏切り、陰謀、毀誉褒貶の世界が語られ、巨大な石材を高所へと運ぶ巻揚げ機のうなり、高所で働く石工達のうめきが語られていく。クーポラ建設の物語を通してルネサンスの世界を身近に感じ、それを担った建築家ブルネレスキの姿が見えてくるというものなのだ。

.........................(後略).............................

Brunelleschi_jap.jpg


天才建築家ブルネレスキ
フィレンツェ・花のドームはいかにして建設されたか
ロス キング Ross King (著) 田辺希久子(訳)

ISBN: 4487797047
東京書籍
2,940-円(税込)

Brunelleschi_Eng.jpg


Brunelleschi's Dome
How a Renaissance Genius Reinvented Architecture
Ross King

ISBN: 0142000159
Penguin USA
1,366-円(税込)

Google Earth で、Brunelleschi's Dome を探してみた。とても鮮明に見ることができる。 43°46'23.55"N 11°15'22.26"E

brunellesch_12.jpg

那須のお二人のブログ「KARAKARA-FACTORY」に、このクーポラの記事がエントリーされた。

● KARAKARA-FACTORY: フィレンツェの大聖堂のクーポラから


Posted by 秋山東一 @ August 28, 2006 12:25 AM
Comments

ShopMaster さん、どうもです。
この大聖堂は、大昔、小磯良平の絵で知ったものでしたが、何度かフィレンツェには行っているのに本物の記憶がありません。
Google Earth、おっしゃるとおり.....ですね。ShopMaster さんの辺りは、残念ながら高精度の写真がないようですね。

Posted by: 秋山東一 @ August 29, 2006 07:46 AM

秋山先生、お邪魔します。
Google Earthすごいですね、こんなに鮮明に・・こんな角度でFirenzeを見ることありませんですから・・
これほどまでにルネッサンス一色に統一されてる町はありませんね。多くのブランドがこの町から発祥しているのもうなづけるような・・・お邪魔しました。

Posted by: ShopMaster @ August 28, 2006 10:09 PM

先日アップデートされたばかりのGoogle EarthのMac版がもう日本語対応となりユニバーサル化されてました。
美術史家はイタリア語のままクーポラと言ってますね。英語のドームは大聖堂を示すドゥオモ(Duomo)と紛らわしいのか使いませんね。
F森教授の云う「原始インターナショナル建築」を溯れば円形プランに円錐屋根に行き着くそうで、ラテン語の家を示す「domus」とか、良く解らないけれど関連あるのかしらね。
パッツィ家礼拝堂はたぶん此処ら辺り(43°46'05.00"N 11°15'44.79"E)でしょう。

Posted by: iGa @ August 28, 2006 02:52 PM

クーポラもドームも同義のようですが、イタリア語ではクーポラなのかしら。
「キューポラの有る町」のキューポラも、cupola で読み方の違いだけですね。

Posted by: 秋山東一 @ August 28, 2006 01:54 PM

クーポラという響きがいいですね。
僕はブルネレスキのパッツィ家礼拝堂の端正なプロポーションも好きだな。

Posted by: iGa @ August 28, 2006 11:08 AM