もんしぇん | [ Cinema , Event ] |
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この映画「もんしぇん」は、その映画の主題歌「脈動変光星」の方が最初に mF247 で公開されたが、ついに映画の一般公開が決まったのだ。
2006年7月15〜25日 先行プレミア上映会が、天草・第一映劇にて
2006年8月19日より 上野・東京国立博物館敷地内映画館「一角座」にて
先日31日の午後、その一般公開を前にして、渋谷シネ・アミューズの3階のシネカノン試写室での試写を見ることができた。tam, iGa, masa と私の四人である。
小さな試写会であったが、山本草介監督の挨拶から始まった。
「もんしぇん」は不思議な映画であった。
ひとり身ごもったヒロイン、玉井夕海演じる”はる”は、故郷に向かってバスの中だ。海岸線を走るバス、日を浴びてキラキラと光る海の風景、その景色とは裏腹に彼女は果てしない不安の中にある。つわりの症状なのか、やむを得ず降り立った停留所、そこの待合所で雨に降られ、いつのまにか眠りについてしまった。ふと目覚めると雨もやみ日差しの中、道路脇を流れる雨のあとに笹舟、そして不思議な女と老婆に出会う。
逃げるように消えていった二人を追って、下の集落へと下っていく。そこは無人なのか、声をあげても誰もでてくるものはない。海岸を歩くうちに妙な場所にたどり着く。
入り江の中に浮かぶようにある一つの家、そして忙しく立ち働く老人達の奇妙な集団、それは何なのか。........................................................................
再びバスの停留所、もう後ろを振り向いても誰もいない。
彼女の乗ったバスは走っていく。夕暮れの海沿いの街を走っていく。..........。
最後のバスの走る映像、それを見る者全てが、深い安堵感に満たされているのを感じた。
筋を追って語りかけてくる映画ではない、たくさんのイメージを積重ねることによって、全体を作っていくような映画だ。そのイメージは海、それも熊本県御所浦の牧島、その小さな入り江と海で作られたのだ。
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脚本(監督の山本草介/イメージ設計の海津研との共同執筆)・音楽・主演の玉井夕海のブログ。
● Psalm of The Sea
「もんしぇん」のイメージ設計の海津研のブログ。
● 映画「もんしぇん」の構想にまつわる雑記帳
玉井夕海・作詞/作曲/歌の主題歌「脈動変光星」はこちらからダウンロード可能だ。
● mF247
aKiさん こんにちは。 一ヶ月遅れでやっと試写会に出向く事が出来ました。 海は広いな 大きいな という歌が映画の中でも使われていますが 海の持つ奥深い美しさに敬意を払った映画であると共に 後悔や苦しみを持つ登場人物に鑑賞者がシンクロしていく映画のように思えました。 私の場合は近藤正臣にシンクロしてしまいましたが ・ ・ ・
Posted by: いのうえ @ July 6, 2006 12:51 AMfuru さん、some ori さん、どうもです。
あの場所をご存じの方がご覧になると、見え方、感じ方があんなに違うのかと思いました。機会を作って行ってみたいと思いました。
こんばんは!トラバ、ありがとうございました。
先日、いささか押しかけ気味に、飛び入りで拝見させていただきましたが、観にいって、よかったーーです。
「不思議な映画」って記述、わかるような気がします。
ああ、天草ってこんなにも、不思議なんだって思いました。今まで、見えない振りしてたものを、見せていただいたなあと。
玉井さんのはからいで
今し方試写会に参席してきたところです。
内海独特の湿度の高さを感じる映画でした。
生命のつながりというと陳腐ですが
海の湿気を感じさせるところが素直に表現されていたと思いました。
夕海さん、こんにちは。
先日は失礼しました。とてもゆったりと「もんしぇん」を楽しむことができました。
僕にとって未知の場所である「もんしぇん」の舞台である天草の海から、映画の構想が生み出されたとのこと、それも、あの学校が役に立っていたことをお聞きして、ちょっと安心しました。
どんな作り方であれ、結局、作られたものが語りだし、そして生きていきます。建築と同じように。「もんしぇん」の未来に期待しています。
夕海です!
先日はほんとうに、ありがとうございました。
長く長くかかりましたが、やっと形になりました。
私はこの映画を作る為に藝大の建築科に入りたいと思いましたが、やっぱり秋山さんの助言の通り、あの学校に行ってよかった。ほんとうに。
音楽仲間との出会いや(音楽科)、イメージ設計及び共同脚本の海津研(デザイン科)もそうでしたし、当時他大学の学生であった監督の山本草介との出会いも、あの学校に行っていたから起きたことでしたし
・・・そして何よりやはりこの映画は、吉村順三という建築家を生み出したあの
学校の、あの森で学んでいたことによって培われた空間感覚や土地との対話法によるところが、大きいと思います。
我々は、通常の映画より多くの時間を脚本に費やしてきましたが、そのほとんどは、天草という土地を知るために使われました。
土地を歩き、海を聞き、人と話し、歴史を学び、そこに住み、そうして天草との対話を繰り返しながら浮かび上がって来たのがあの土地構造や家の配置でしたし、キャラクター設計や物語設定でした。
昨年、藝大美術館で吉村順三展を開催されていた時、その中に「建築は、土地から生まれてくるものです。土地を知ること、土地の声を聞くこと。そうしていると、建物が見えてきます」という吉村先生の言葉がありましたが、『もんしぇん』はまさに、そのようにして生まれて来た物語でした。
けして、物語が先にあったわけではないのです。
そうした建築的側面から読み解くと、実はわかりやすい映画なのかもしれません。
おいそがしいところ、ありがとうございました。エントリーもありがとうございました。
そうなんです。いつだったか「もんしぇん」でgoogle検索をしたところ、「三木成夫の会」 メール会報 0062号 2005年4月11日 目次 ...という見出しがありました。そこに、この映画で「胎児の世界」がちらりと出てくると書いてあるのです。まだ公開もしていないのに、どうしてこんなことに気づいたのだろうと、感心しました。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Hemingway/2397/0062.htm
「もんしぇん」のクレジットに三木成夫の名前があった。
ヒロインの”はる”がずっと手にしていた本が三木の本「胎児の世界」だったとのことだ。
http://landship.sub.jp/stocktaking/archives/000622.html
Posted by: 秋山東一 @ June 2, 2006 07:27 PM