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エコロジーを考える2人旅

BOOKS , CYCLE

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スロー主義でいこう!
エコロジーを考える2人旅。


著者: 前田誠一・前田真知子

ISBN: 4767801745
出版: エクスナレッジ
定価: 1,680-円(+税)

本書の著者、前田誠一さんは住宅設計の世界では知らないものはいない、イゼナ床暖房システムのソーラーハウスを進める IZENA の前田さんなのだ。

何年か前に初めてお会いした時、たしか、名刺に自転車の写真があったのだが。その事をすっかり忘れて最近お会いしたのだ。まぁ、いつものことだが、私の出放題で失礼の連続であったが、本書をお送りいただいた。
2002年出版、ずいぶんと前からあるのに、チェックしそこねていたのは迂闊であった。

前田さんって、独自のソーラーハウスを進めるエコロジストであることは分かっていたが、筋金入りのサイクリストである、それもエコロジカルな思想を持ったサイクリストなのだ。

B-PEHT223-S.jpg本書はエコロジストの前田夫妻の自転車を使った2人旅の詳細が語られている。それも自転車を全面に立てた自転車至上主義の自転車旅行というものではないところに着目なのだ。

旅行に自転車がある、それも小さくて軽くて、折り畳めてしまえばロッカーに入ってしまうくらい、重さ6,5kgのチタン製の軽量フレームの小径ホィールの自転車なのだ。トレンクルという自転車なのだ。

この自転車によって、自転車の旅が大きく変わる。
いままで自動車に自転車を載せて目的地まで行っていたのを、列車やバス、公共交通機関ででかける。美味しい所だけ自転車で走る......雨が降れば、わざわざ走ることもない、公共交通機関に乗ればいいじゃないか......、これも小さくて軽く持ち歩ける自転車なればこその話しだ。
坂を上る時は歩けばいいじゃないか.....となれば変速機もいらない、これで自転車はますます軽く小さく持ち運び易くなる。

そんな発想のもと、東に西に、楽しいお二人の旅が語られる。水蓄熱式床暖房「アクアレイヤーヒーティングシステム」のご当主の、エコロジカルなサイクリストという一面を知ったのである。

↑の画は著者の前田さんのトレンクルを本人が描かれたものだ。サドル、ハンドル周りの改造以外にも、各所に彼の旅行にとって必要な改造が施されている。

目次
はじめに
ぼくたちは、こんな旅を始めた。
「自転車で2人」だから楽しい。
自転車と私。
いろいろなことが分かってきた。
自動車が人間をダメにする?
やっぱり旅は楽しい。
これで万全! 旅支度あれこれ。
あとがき

本書は、前田さんの「エコロジカルな社会は自転車とともにやってくる。」という大いなる主張なのである。

きっと、このあたりの知見も、自転車をエコロジカルな社会の代表に仕立て上げる要素かと思っている。
aki's STOCKTAKING: 自転車の物理

Posted by 秋山東一 @ May 20, 2006 04:12 AM
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