ブラッカムの爆撃機 | [ BOOKS ] |
ブラッカムの爆撃機
著者: ロバート・ウェストール Robert Westall
訳者; 金原 瑞人
編: 宮崎 駿
ISBN: 978-4000246323
出版社: 岩波書店
価格: 1,680-円(税込)
この本が最初に福武書店から出版された1990年に見つけて、いつも身近にあった本なのだ。
ロアルド・ダールの「単独飛行」と同じく、第二次世界大戦の飛行機本の傑作なのだ。
著者ロバート・ウェストールは、英国の、いわゆる児童文学を代表する人物だが、本書が、宮崎駿によって同じ金原瑞人・訳のままリニューアルして岩波書店から登場なのだ。すばらしい。
「ブラッカムの爆撃機」の爆撃機は、WIMPY ウイムピーこと第二次世界大戦中の英国空軍の双発爆撃機、Vickers Wellington ウエリントン爆撃機のことだ。機体が竹籠のような構造 (geodetic construction) をしていることで有名だが、まぁ、戦中、10,000機以上生産されたポピュラーな爆撃機なのだ。
それはさておき、話はそれに乗り組んでドイツ爆撃にでかける乗組員、高校をでたばかりの少年達の話なのだ。お話は、そんな過酷な爆撃行で、ブラッカム軍曹が機長のウイムピーに起こった事件、ドイツ兵の幽霊に取り憑かれるというオカルト的なお話なのだ。
そんな話でありながら、その爆撃機と乗組員の少年達の行動、その世界が実にリアルに記述されているのだ。それは単純な反戦とかいう話を超えて、その普遍的な何かを描き出していると思う。
宮崎駿が本書を1990年に手にして、多大なる興味(さもありなん.....かな)を持っていたことを、本書を手にして初めて知ったのだ。その彼が、絶版状態の「ブラッカムの爆撃機」をリニューアルさせたのだ。
まずは、カラーで描きおろしの「タインマスへの旅」なる宮崎駿の漫画による旅行記だ。ロバート・ウェストールの少年時代、戦中過ごした英国 TYNEMOUTH タインマスへの旅の始まり、徐々に宮崎駿お得意の「妄想」へと続く。
ドイツ爆撃行から帰還するウイムピー、それを攻撃する独ユンカース JU-88 戦闘機へ.....、そして本文「ブラッカムの爆撃機」へと導入していくのだ。
ブラッカムの爆撃機
ロバート・ウェストール Robert Westall/著 金原 瑞人/訳
ISBN: 4828849114
出版社: 福武書店
価格: 1,223-円(税込)
ぼくも、新聞の記事を読んで宮崎版を読もうと思いました。
福武書店版のやつを、たぶん秋山さんにすすめられたのでしょうが、ぼくも持っています。ひところ引退を宣言した宮崎さんが、後継者養成を目指して開いた「小金井村塾」なるアニメーションディレクター養成塾に、半年のあいだ夕海が行っていたことがあります。そのときに、この本の話がでたことがあったそうですが「私も読んだことがあります」と言ったら、ただ一人の女子塾生だけが知っていたので宮崎さんが驚いていたそうですが、父の本だと言うと、なるほどと納得したそうです。
わきたさん、どうもです。
そうなんです。大好きなんであります。この「ブラッカムの爆撃機」が、こんな形で再生するなんて思ってもいず、新聞広告を見た日曜日に本屋に駆けつけゲットしたのでありました。水曜日の朝日の文化欄に取り上げられているのを見落としておりましたが、ミリタリーに興味がない方々にも本書に親しくなって欲しいものです。ぜひ、わきたさんも読んでください。
僕の知り合いの建築家(米人ですが)はこの爆撃機が大好きで、こいつものらしいアルミの骨組みの小部分をコレクションしていました。うらやましい。
秋山さん、こんにちは。朝日新聞の書評欄で『ブラッカムの爆撃機』のことを知りました。そこには、「宮崎さんが描いた爆撃機の図解」という宮崎駿さん自身が描いた図解も掲載されていました。その図解をみたとき、どいうわけか、僕の頭のなかには、すぐに秋山さんの顔が浮かんだのでした。「秋山さんって、こういう図解がお好きだったよな~」(僕も好きですけど…)。僕も、時間をみつけて読んでみようと思います。
http://book.asahi.com/clip/TKY200610110249.html
ところで、この爆撃機は本当に「カ~ゴメ、カゴメ」の「籠の目」状態になっているんですね。