単独飛行 Going solo | [ BOOKS ] |
単独飛行 GOING SOLO
著者: ロアルド・ダール Roald Dahl
訳者: 永井 淳
ISBN: 4794965974
出版: 早川書房
定価: 756-円(税込)
この表紙は単行本のもの、現在は文庫本のみ
原名は Going solo、初めて飛行機を一人で操縦 solo することと、独り立ちした自分を重ね合わせた題名は本書に相応しい。これって、ロアルド・ダールの青年時代の自伝なのだ。
その前の「少年」という幼少期の話しから、パブリックスクールを出て、シェル石油に就職、1938年秋、20才のロアルド・ダールはアフリカに赴任する。東アフリカ、インド洋沿いのダルエスサラームでの生活を始める。アフリカでの面白おかしい生活もほどなく、第2次世界大戦が勃発する。
彼は志願して飛行学校に入学、英空軍のパイロットとなり参戦、ハリケーン戦闘機乗りとして、ギリシャ戦線、パレスチナ・シリアへと出撃、ドイツ軍機と何十回となく空中戦をやってのける。戦友達は皆「........悲劇的に、だがほとんど必然的に、撃墜されて戦死することになる。」そんな過酷な状況が淡々とかたられる。
かっての不時着時の怪我の為、パイロットとしての任務を解かれ、3年ぶりに英国に帰還し、ロンドン郊外に疎開した母の元に帰る。3年ぶりの母との再会の記述、どこでもだれでも....と思った。
本書の原本はペンギンの少年向けの Puffin として刊行されている。
従って、原書で読むことも容易なはずだ.....。
いい本を紹介していただきました。
アフリカ、そして飛行機とくると「飛行士」「南方郵便機」「夜間飛行」「人間の土地」を書いたサン・テグジュペリも同じ時代を生きた作家です。
今でも単発の小型機で遠出するのはずいぶん心細いそうですが、だれもが単独飛行を経験すると、感想を書きたくなるのでしょうね。読まなくては!