050819

宮城沖地震 /050816

Event

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朝日新聞朝刊によれば、

6分以上揺れた東京 宮城沖地震、東大地震研が画像化

16日に起きた宮城県沖の地震の揺れは、地震発生から20秒で仙台市に伝わり、50秒後に水戸市で揺れ始めた。東京都心部が大きく揺れだしたのは70秒後で、揺れは6分以上続いた——。揺れが全国に伝わる様子が一目でわかる画像を東京大学地震研究所の古村孝志・助教授が作製した。..........

映像化された地震の伝わり方って、想像していたものとはずいぶんと違っているのであった。

「立高ゆうし会」という高校同期のメーリングリストがある。その会員で、仙台在住で建設コンサルタント会社を経営されている吉川謙造氏がこんなメールを発信されていた。

地震お見舞いありがとうございました。
被害の方は昨日の報告の通りですが、少しばかり報告し残したことがありました。
大きな地震だったので、これは直ぐに電話が不通になる!と思い、一番(多分2、30秒後)に埼玉(妻の実家)の方へ電話を入れました。この電話は直ぐに通じたのですが、先方の答えは、「こちらは今、揺れているところだ」との事でした。地震振動の伝わる速度を実感した思いでした。
公共の電話回線を私用で長く使用することを遠慮して、すぐに話を打ち切ったのですが、その後(1分位経過後)は会社も含めて、どこにも繋がらなくなり、回復したのは約1時間後でした。...........

さすが、専門家の視点、と感心したのであった。

東大地震研究所のサイトに記事の元レポートがあった、波動伝播の MPEGムービー(10MB)がダウンロードできる。Mac でも Quick Time で見ることができた。

● 宮城県沖地震の地震波の伝わり方と関東の揺れ


追記 

東京というか、関東地方の長時間にわたる揺れが大きな話題のようだ。

.......東京の揺れは東北地方の揺れがほとんど収まった後も続き、厚い堆積(たいせき)層におおわれて地震波を増幅する関東平野の特徴が、今回の地震でも浮かび上がった。.......

Posted by 秋山東一 @ August 19, 2005 12:30 PM
Comments

夕飯の買い物にいった西友の売り場で、あるご夫妻にお会いしました。
ちょうど、話をうかがいたいと思っていた方で、引退された地球物理学者ご夫妻でした。帰り道、ぼくは乗ってきた自転車を押して、話しながらかえってくることにして、さっそく質問に移りました。
Q こないだの宮城沖地震の振動の伝搬のアニメーションが、地震研のサイトに出ていましたね。
A 今の人たちはね、ああいうことをやって(人目をひいて)お金を集めなきゃならないから、大変なんだよ。
みんなああいうことやるけど、ひとによって結果が全然違っちゃうんだ。
Q そうなんですか、ということは、いろいろな条件をつかったりはしょったりしてるんですね。だから、すぐにでてくるのか。地質のデータがしっかり揃えられてるから、すぐに答えが出るのかとおもっていました。
独立採算になったせいなんですね。(郵政民営化だって、同じような問題があるんだろうと内心思いながら、しかし話の筋をはずれないよう、それは口に出さない。)
A そう、だからじっくり腰をすえた地道な研究ができなくなっちゃった。
まあ、このあたりの地盤はいいほうだけど、日本にいる以上は地震は必ず来るんだからしょうがない。・・・・・
Q 新潟の地震の状況を見ましたが、結局は地盤次第ですね。やられてるのは、大部分が盛り土のところですね。
A 新潟のあのあたりは粘土層があって、水を含むと20倍にふくらんじゃう。すると、その上の層がすべっちゃうんだよ。
・・・・その後は、戦後は安い乾麺には白い粘土を入れていたんだとか、化粧品には白い土を入れてるんだ。それでも鉛白よりはいいけどね。なんていう話をうかがいながら、ぼくは米やら秋刀魚やら入れたバックパックを背負って自転車を押してきました。そういえば、タイヤを交換したんで、乗り心地を試すために自転車にしたんだったと、うちについて思い出しました。

Posted by: 玉井一匡 @ August 21, 2005 11:54 PM

はじめまして、以前からここの日記に拝見しています。
私、建築の記事としては興味深い記事とし、トラックバックさせていただきます。

Posted by: archfusion @ August 20, 2005 11:11 AM

ほんとに東京下町のゼロメートル地帯から川口、草加辺りが最後まで揺れているのは気味が悪いですね。

Posted by: iGa @ August 20, 2005 08:14 AM

 地震が引き起こす結果ではなくて、あくまでもこの画像のことですが、興味深く、10回くらいつづけざまに繰り返してみました。なんでなんだろうと考えてみると、ぼくが地震の伝わり方として無意識に思い描いていたのは、水面に石を落としたときの波紋のように、四方八方に整然と波が広がっていき、遠くへ行けば徐々に弱まってゆくという様子だったように思います。ところが、実際の震動の強さは距離との相関関係がずいぶん緩くてバラバラなんだということに感心したのでした。地盤の性質によって伝わり方が全く違うはずですからちょっと冷静に考えれば、それはあったり前のことなのでしょうが。
そう思って波のばらつきをみると、それはそのまま地質の性格のありかたを示しているんだと思って感心するそばから、いやそれは震源の震動のしかたと地盤の性質との関係も表しているのであって、ことはそれほど簡単ではないぞと思ってしまいます。
 とにかく、こんなに早くこういうものをつくれるくらいには、地球の、日本がのっかってる部分の性質を、この人たちは把握しているわけで、それを現実に地震が起きるごとにデータを補正したするんでしょう。
こんな具合に、この辺りでこんな地震が起きたら・・・・・というアニメーションは、きっとたくさんできているのでしょうね。

Posted by: 玉井一匡 @ August 19, 2005 10:42 PM