Carl Zeiss Jena TURMON | [ TOOLS ] |
Carl Zeiss Jena カール ツァイス・イエナの単眼鏡 TURMON である。
ポロプリズム式の双眼鏡の片側、手のひらに収まってしまう小型なものなのである。
使用時、高さ50mm、幅47mm、奥行47mm(収納時は長さ72mm高さ26mm)重量は86gという大きさである。8X21、8倍率にして対物レンズ径21mmである。
最大の特長は、対物側ボディと接眼側ボディが90度の角度で回転することだ。収納時は倒立像だが、使用時、90度の角度に折り曲げると正立像になる。
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Zeiss ツァイスは、今はデジカメのレンズでポピュラーだが、1856年にカール・ツァイス氏が顕微鏡製造のための工房を、ドイツはイエナ市に設立したというのが始りだ。第2次世界大戦前、ツァイスは、双眼鏡・顕微鏡等の光学製品で著名、ドイツ光学産業の中心として活躍する。
戦後の東西ドイツ分割によって、組織は二つに分かれてしまう。Carl Zeiss Jena は、東ドイツのイエナの東独国営企業 Carl Zeiss Jena として設立されたものなのだ。
この単眼鏡 TURMON は戦前からのブランドだが、これは戦後そこで作られたもの、東独ツァイス製なのである。
たしか90年代初め、銀座のレモンで廉価にして手に入れたものだが、オルゴールのような木製ケース(決して立派なものではない、なんとなくアンバランスな)に収められて売られていた。なんだかクラシックな単眼鏡をスーベニアとして売られたというような感じだ。結構、昔のデッドストックをスーベニアとして売るべく、仰々しい木箱なぞに入れて売られたのではないだろうか。
クラシックな仕様、塗装仕上げの金属部、革張り仕上げ風のプリズム部、いかにも東独製だという感じがうれしいのである。
上にあるのが黒い革製のケースである。平面状に広げた本体がすっぽりと収納できるのだ。このケースに入れてポケットにおさまる。
本体の右にあるのが、10倍のクローズアップレンズである。これを対物レンズの前に被せることによって10倍の拡大鏡というよりも、顕微鏡的な使い方ができるのだ。
この大きさがよい。日常的に携行するには双眼鏡では大きすぎるが、ちょこっとポケットに忍ばせるのに適当な大きさである。使用時も手の中に入って使えるのは、回りの人の迷惑になることもない。展覧会なんぞには、1.5mで焦点があうので有効ではないかな。
年とともに退化しつつある眼の能力を、クリアな実像によって補完することができる。
残念なことに10倍クローズアップレンズはケースに収めることができない。こんなところが東独製ってところなんだろうか、と時々思うのだ。
komachi さん、こんにちは。
まぁ、存在感はいいんですけれど、スーベニア仕立てという志の低い部分を感じるのですね。
対物レンズ21mmの内側にはネジが切ってあり、クローズアップレンズはネジ込みにすればいいのに、被せる形式で、なんだか、とってつけたような物なのですね。
もう、とっとと捨てましたが、飴色の木箱はなんだか成金ぽくて、内側のツァイスのロゴが金色で、なんともの志なんであります。
さすがに存在感があるなあ。生唾ものを見せていただきました。
私は双眼鏡のほうが安定するので、いつも持って歩けるチビな双眼鏡を狙っています。