050629

昆虫-大きくなれない擬態者たち

BOOKS

あの養老孟司先生も箱根に昆虫館なるものを建設されたようだが、世の中、意外と昆虫少年出身という方が多いのだ。こんな本の出版って、元昆虫少年の胸を熱くするんではないだろうか。

4540031597.jpg


昆虫ー大きくなれない擬態者たち  百の知恵双書 (009)

著者: 大谷 剛


ISBN:4540031597
出版: OM出版/農文協

定価: 2,800-円(税込)

真鍋編集長の新しい本が出た。それも昆虫の本なんだ。一瞥しただけで、本作りの大変さが分かるような、図版満載のとんでもなく立派な本なのだ。

真鍋編集長は理系の人なのである。ご自身の精子を顕微鏡で観察したという理系の血が脈々と流れているのである。それでなければ、こんな本はできないと思うのである。

地球上に95万種以上、日本だけでも3万種を超える種数が発見されている昆虫。
この大繁栄した小さな生き物の世界は謎に満ちている。
たとえば、昆虫はなぜ大きくなれないのだろうか。
どうして最初に飛んだのか。なぜ蛹が登場したか。
擬態がでてくる理由は ? 昆虫はどうして六本足なのか。
生命の進化とのかかわりの中で、
しぶとく生き抜いてきた昆虫の運命を明らかにし、
生態系を支える彼らの
したたかな奇策の数々を愛情をもって解剖する。

昆虫の進化と運命

第1章 空中に逃避した親指姫
第2章 自活する胚
第3章 鳥とともに進化した昆虫

ハチ擬態と四大昆虫

第4章 ハチ擬態が生じる理由ーハチ目とハエ目
第6章 なぜ鱗粉は発達したか-チョウ目

昆虫と博物館

第7章 存在をアピールする鳴く虫たち
第8章 幾何学と浮力が関わる動物の足
第9章 起点と終点の昆虫採集

いやいや、理系ならずとも興味津々、面白そうなのである。

Posted by 秋山東一 @ June 29, 2005 01:43 AM
Comments

「標本系ブログ」なんて言うからには当然、私も出自は昆虫少年でして、この本はかなり食指が動いてます。それと私も「自身の精子を顕微鏡で観察した」クチです(^^;)

Posted by: m-louis @ June 30, 2005 02:57 AM

何度もスミマセン
カメラマンのたぶんこのひとでは?
栗林慧さん
http://www5.ocn.ne.jp/~kuriken/html/japan/j-second.html

Posted by: ishiakwa @ June 30, 2005 01:47 AM

実は、Komachiさんのサイトも時々覗いています。この本のことが書かれていたり、野鳥のきれいな写真を眺めています。
私はミツバチ好きで昨年から時々ミツバチの観察を養蜂園でさせてもらってます。このごろは庭に来るハチの観察もはじめています。虫の擬態は面白いですよね。ハチは刺すとか危険なイメージがありますが、あの黒と黄のシマは人間もデザインに模倣しているように虫たちもハチになりすましていかにも危なそうに見せ天敵から身を守ろうとしていることなどもあるようです。不思議に満ちています。

Posted by: mitsubako @ June 29, 2005 11:15 AM

大々的にご紹介していただき感謝です。今回の編集の収穫は、私自身が昆虫に以前よりも興味を持つようになったことです。何人もの昆虫マニアをインターネットを通じて知ることができ、写真の提供をしてもらいましたが、彼らと知り合えたのも収穫でした。昆虫標本をたくさん撮影しましたが、昆虫は実に美しい。最近は鳥見に行っても、昆虫もいっしょに観察するようになりました。

Posted by: komachi @ June 29, 2005 10:04 AM

話がズレますが、表紙の画像すごいと思いませんか?昆虫にピントがあっていながら(超接写)、遠景があれだけ良く写っている!
実はこのカメラマンの特集をテレビで見たことがあります。手作りで試行錯誤しながらカメラを作り、あのような不思議な画像を可能にしたと特集していました。
まさにこの本に相応しいカメラマンです。

Posted by: ishiakwa @ June 29, 2005 09:16 AM