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環境デザインへの招待

Architecture , BOOKS

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環境デザインへの招待  神戸芸術工科大学公開講座

著者: 杉本正美/小玉祐一郎/相良二朗/斉木崇人/川北健雄/園部憲明/花田佳明/山之内誠/木村博昭/小山明


ISBN: 4906544126
出版: 建築・都市ワークショップ
定価: 1,470-円(税込)

植田実の編集現場—建築を伝えるということ」の著者である花田佳明さんからこの本をいただいた。

2003年に開かれた神戸芸術工科大学の公開講座「環境デザインの新世紀」の内容を書籍化したものだ。住宅から建築、都市、地域にまで及ぶ生活環境を対象とする「環境デザイン」という括りで、諸先生方の講演内容が収められている。一般人を対象としたもので平易な内容である。

1) 風景のデザイン—美しい環境づくりに向けて
2) 持続可能な都市・建築をめざして
3) ユニヴァーサルデザイン—超高齢社会のまちづくりを事例として
4) 新田園都市の実験—神戸、舞子ゴルフ場跡地のコミュニティデザイン
5) まちづくりコミュニケーション—神戸市入江地区における実験
6) ソフトエンヴァイロメントのデザイン—ポンピドゥ・センターおよび関西国際空港旅客ターミナルビルのプロジェクトを通して
7) 新しい住宅のデザイン—部屋数だけがすべてじゃない
8) 文化遺産の継承とデザイン—太山寺における建築保存
9) 新世紀を開いたC・R・マッキントッシュ—トータルデザインの考え方
10) 電子テクノロジーとデザイン—コンピュータは都市を変えるか

皆さんを存じ上げるわけではないが「持続可能な都市・建築をめざして」の小玉祐一郎氏とは旧知の仲ではある。

まずは、花田さんの「新しい住宅のデザイン—部屋数だけがすべてじゃない」を読んでみよう。
「住宅」とは何か、阪神大震災の時の経験から語られる。住宅の既存の定義づけから自由になった時、どのような住宅が可能なのか、ご自身の実作を通じて語られる。最後に「住宅とはさまざまな関係の調整装置だ」と結論づける。
「複雑な問題は複雑なまま解かなくてはいけない」という言葉にシンパシィを感じる。

Posted by 秋山東一 @ July 9, 2005 08:06 AM
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