aki's「Kai-Wai 徘徊」本妙寺坂 | [ BARRACK finder , JEDI , Place ] |
私は「Kai-Wai 散策」のファンなのだ。
いい写真とおだやかな語り口で、なんだか忘れていた「となり町」を案内されているような気分になってしまうのだ。
その数々のエントリーの中の一つ「本妙寺坂」に、とても気になる言葉があったのだ。「風景としての.....骨格」とあったのだ。
私は、その場所を訪ねてみたくなったのだ。
masa さんの言う「風景としての骨格」とは、どんな風景なのか、あの数々の写真で切りとってこられたその風景の秘密を解き明かすため、本郷通りから本妙寺坂に入ったのであった。
すぐにビンゴ、じゃなかったデジャブ。ここには来たことがあると感じた。そして左側マンションの1階の「文京区男女平等センター」なる不思議な役所の名前で思い出した。木曽アルテック社の斉藤さんの上京したさいの宿舎がここであった、一度泊めていただいたことがあるのだ。
ゆっくりと下って、菊坂との交差点を通り過ぎ上る。振り返って masa さんと同じように「柴田商店」の赤い建物を真中に写真を撮る。ちょうど、郵便配達のバイクが上がってきたのだがタイミングを逸して残念。
撮ってきた一枚を masa さんと同じようにトリミング(ちょっと撮る位置が下だったみたい)のが左の写真なのだ。
その場所で感じる。masa さんが、この場所に特別の意味をおく理由が分かったような気がした。彼のいう「この坂のある風景が…。風景としての優れた骨格がある、とでも言ったらよいのでしょうか…。」が分かるのである。
この「場所」の特別な条件、地形的に二つの坂道のある場所であり、その坂道も微妙にカーブしその行く末を隠している。それはサンクン・ガーデン(Sunken Garden)のような場であるのだ、そこに下る道の微妙な曲がりと、小さな十字路のずれ、そんな場を構成する何気ないどこにでもある普通の建物、それらによって心地よい気分をもたらす「場」が構成されているのだ。まさしく、その骨格に優れているといえるのである。
この場所の感覚は「キャナルシティ博多」で感じたものであった。サンクン・ガーデン、そしてその末端の消失、とてもすてきだ。
下の2枚の写真は本郷通りから本妙寺坂を菊坂に向かって下りていく途中だ。交差点、そして上がっていく本妙寺坂の延長の坂道が見える。それもゆったりと左にカーブ、その先を隠している。
サンクンしているその場所、そこに導くアプローチが作り出した場がある。それらが masa さんに「この坂のある風景が…。風景としての優れた骨格がある、とでも言ったらよいのでしょうか…。」と言わしめたのであろう。
この masa さんの「Kai-Wai 散策」は、「谷中M類栖」で m-louis さんに「標本系ブログ」として紹介された散策ブログの代表なのだ。
最近では、ぐぐっと凄みを増して、「となり町」から、ちょっと遠めの「近未来都市」にまでご案内いただいているんじゃないかという気分なのだ。
このエントリー以後、大きな動きフィールドワークの世界が生まれた。その概略を整理してみた。
● aki's STOCKTAKING: 本妙寺坂から、アースダイビングへ
この場所、本妙寺坂は、masa さんの新しいお道具によって今までの見え方と異なった見え方ができるようになった。
● Kai-Wai 散策: 本妙寺坂のある谷戸
キャナルシティのエントリーをしたばっかりにここに来る羽目になり・・・いい加減なブログ運営をしているので恥ずかしいですが。
「末端の消失」や「十字のズレ」などの拝見して、建築家の槇さんが書いた「みえがくれする都市」が東京のこの場所にはまだ息づいているんだろうとふと思いました。槇さんはこうした「みえがくれする都市」の中に織り込まれていく「奧性」が日本の都市空間の性質だと語っています。
m-louis さん、どうもです。
皆さんのご都合で、谷中・根津S計画、ぼちぼち始めましょう。masa さんと連絡をとってみます。
時に業界では、あの人ってこれしか(ブログ)やっていないんじゃないのとか云われている私ですが、本業も進めねばならないのであります。
その後のコメント合戦に完全に乗り遅れましたが、masaさんから谷中・根津S計画の話、聞きました。
しばらく上京予定がないもので、タイミングが合えばってところでもありますが、そのときには是非ともよろしくお願いします。
ところで前回、「微笑ましさともまた一つ違う、何とも言葉にならないイイ感じ」と表現レベルに達してないコメントを書いてしまいましたが、それってまさに「ブログの力」一言で表現可能なんだとお二人のコメント読んでて後から思い当たりました。そうやって考えるとあの本に掲載してもらえたのは今更ながら幸運だったなと思います。
ちなみに私はお二人の写真を思わず Photoshop のレイヤー上で重ね見してしまいました(汗)
Posted by: m-louis @ June 25, 2005 11:51 AM坂道って面白いですね。
写真の中の人を見ても、歩いているんじゃないんだなこれが、皆、上がっているのか下っているのかしているんですね。
masa さんは、きっと「柴田商店」が今のビルになる前をご存知なのでしょうね。あの場所を更地にして、大きな樹を一本、そしてベンチでもおいて小さな公園、とても素敵な場所になるんじゃないかなぁ。
Posted by: 秋山東一 @ June 22, 2005 10:12 AMmasa さん、m-louis さん、どうもです。
ちょっとしたイタズラのつもりで、こっそりエントリーを用意したのですが、すぐ出してしまったりしてダメですね、私は。
落し穴なんか作っても、そこが落し穴だってすぐしゃべっちゃうのに...似てますね。
「情報は一人ではいられない。なぜならさびしがり屋だから」なんてどこかで聞きましたが、いろんな広がりを見るにつけ、これはブログの力なんだと思いますね。
Posted by: 秋山東一 @ June 22, 2005 09:20 AM>m-louisさん
すれ違いましたので、この場をお借りして…。僕が、AKiさんとm-louisさんのファンであるのは、お二方ともに、根っからの「無邪気さ」を持ち続けていらっしゃるからです。AKiさんが、以前にターレットのスケッチのみならず、採寸までなさっていたときは、実は、小躍りしたくなるほど喜んでいたのです。これは大人じゃできませんもんね(^^; m-oiusさんの田植えも…。このエントリーだって、グリコですから…。これだと思います。
忘れ物をしました。「文京区男女平等センター」ですが、以前は「文京女性センター」という名称でした。その名称が、一種の「女性差別だ」ということになり (谷根千の森まゆみさん達が中心)、名称変更に至ったということです。まったく何のことやら分からない名称ですね。
Posted by: masa @ June 22, 2005 02:43 AMおぉー、Kai-Wai のことが書かれてるからきっと masa さんが恐縮コメントしてることだろうと先を読むと私のブログの名前が出て来て私までビックリしました(^^;)
それにしても、こうしてブログに誘われてその場所を確認に行ったことが新たにエントリーされてるというのを見るのは何とも言えない気分がありますね。年下の私が微笑ましいなんて言ったら無礼ですが、そんな微笑ましさともまた一つ違う、何とも言葉にならないイイ感じが第三者ながら感じ取られます。
というか、私も「本妙寺坂」だけでなく、「キャナルシティ博多」も併せて確認してみたくなりました。
Posted by: m-louis @ June 22, 2005 02:38 AMAKiさん、こんばんわ。僕にとっては、コメントすることすら憚られる、敬愛するAKiさんのサイトで、まさかこんな形で紹介されようとは思ってもみませんでした。何と言えばよいのでしょうか…。(ここまで書くのにも相当時間がかかってます(^^;)
でも、自分で感じていたことが、こうして言葉と図で解説されると、胸のつかえが取れたような気がします。そして手品の種が見えたような気も…。僕は、この風景を、目で見ていながら脳では見ていなかったな~と思います。例えば、十字路のズレをこんなにはっきり意識したことはありませんでした。また、改めてこの場の検証に行ってしまいそうです。家のリーバイス501を考案なさった「永遠の大人少年」を目差すためにも(^^;