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進化しすぎた脳

BOOKS

真鍋さんのブログ komachi memo2紹介されていた本書を手に取ってみた。

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進化しすぎた脳
中高生と語る[大脳生理学]の最前線

著者: 池谷 裕二


ISBN: 4255002738
出版: 朝日出版社
定価: 1,575-円(税込)

脳科学の最前線、昨年2004年春、ニューヨークで高校生に行われた全四回、10日間にわたる脳科学の講義の記録だ。著者自身が「高校生の頃にこんな一連の講義を受けていたら、きっと人生が変わっていたのではないかと思うくらいの内容と密度だったと....」と語っておられるのだ。

少人数の生徒を相手にした講義という形を活かして、彼らの反応をきちんと踏まえながら平易に分かりやすく進んでいく。多くの事例、それも脳科学最前線のホットな情報がおしげもなく紹介されていく。

第一章 人間は脳の力を使いこなせていない
    ネズミをラジコンにしてしまった?
    目に見える形になった意志
    進化しすぎた脳
第二章 人間は脳の解釈から逃れられない
    「心」とはなんだろう?
    世界は脳のなかでつくられる
    「見る」ことは無意識
    言葉は意識の典型
    「悲しいから涙が出る」んじゃない
第三章 人間は あいまいな記憶しかもてない
    なかなか覚えられない脳
    記憶の「あいまいさ」ほどこから生まれる?
    シナプスこそが脳のあやふささの原因だった
    しびれるくらい美しいメカニズムー「へブの法則」
第四章 人間は進化のプロセスを進化させる
    ウサギのように跳ねるねずみ
    神経に直接効く薬
    人間は「体」ではなく「環境」を進化させている
    人間の脳がそんなに簡単にわかってたまるか

まぁ、上記は私が気になる各章の項目をメモしただけだが......すばらしく面白いのだ。

最近、精神医学のの関心は、「心」より「脳」に向かっているんだそうだ。従来の精神病理学や心理学を中心とした人間理解よりも、脳科学者たちのほうが、その辺りの理解が進んでいるのかも知れないんだそうだ。

Posted by 秋山東一 @ June 1, 2005 10:01 AM
Comments

どうも、真鍋さんごぶさたしてます。
komachi memo の本の紹介には毎度触発されています。
この本の挿絵の長崎訓子さんについて、著者が何も触れていないのと、挿絵の全てが彼女のではないのが、ちょいと気になりました。
真鍋さんがおっしゃっている、編集者が「こんな本作りたい」ってのは、なんだか分からない話ではありました。

Posted by: 秋山東一 @ June 4, 2005 07:06 PM

ご無沙汰です。BLOGさぼっているkomachiです。この本おもしろいでしょ。高校生のときにこんな先生に出会えていたらなんて思ってみるけれど、高校生の時に「君、意識ってなんだと思う?」なんて聞かれたら「????」だっただろうな。

Posted by: komachi @ June 4, 2005 12:54 PM

やぁやぁ、伊礼さんこんにちは。

私も伊礼さんのブログ、よく行っておりますですよ。
ところで、この本なかなかのもんだと、感じいっております。

Posted by: 秋山東一 @ June 2, 2005 09:50 PM

こんばんは。
久々のコメントですが、ちょくちょくお邪魔させていただいています。
(コメントしてないので邪魔はしてませんね)
早速、この本、手配させていただきます。

Posted by: 伊礼智 @ June 2, 2005 08:45 PM