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ぼくはあの戦争を忘れない

BOOKS

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ぼくはあの戦争を忘れない October 45

文/絵: ジャン=ルイ ベッソン Jean‐Louis Besson
訳者: 加藤恭子・平野加代子/解説: 澤地久枝

ISBN: 978-4062109109
出版: 講談社
定価: 2.625-円(税込)

原題は「October 45」、今から60年前の1945年の10月のことだ。
1939年に始まった戦争、その6年間の出来事を一人のフランスの少年が見ていた。

ジャン=ルイ ベッソンはフランスの高名なイラストレーターとのこと、本書は彼の少年時代、7才から13才の間の第二次世界大戦の記憶を絵本にしたというものだ。

ナチス・ドイツ占領下のパリにいる少年一家の日々の日常、配給、灯火管制、学校、ユダヤ人.....そこには悲惨な出来事が身近にあるわけではない。でも、戦争の中にあるのだ。

1944年9月、解放されたパリの大通りをアメリカ軍がパレードをする。「......将校はじめ全員が柔らかいゴム底の靴をはいていた。行進バンドの音楽で、足音といえば、ゴム底のかすかな音くらいしか聞こえなかった。だから、軍隊の行進というよりは、運動選手の行進のようだった。」と彼は言う。そこに、戦争が終わったという....喜びが感じられる。

1945年9月2日、日本が連合国に無条件降伏をして戦争は終わった。
10月、学校、同級生が強制収容所から戻ってきた。「.....彼の両親も、二人の姉妹たちも、戻ってはこなかった。今や、彼はクラスの英雄だった。彼にとっての戦争も、やはり終わったのだ。」

Posted by 秋山東一 @ October 22, 2005 12:10 AM
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