ぼくはあの戦争を忘れない | [ BOOKS ] |
ジャン=ルイ ベッソンはフランスの高名なイラストレーターとのこと、本書は彼の少年時代、7才から13才の間の第二次世界大戦の記憶を絵本にしたというものだ。
ナチス・ドイツ占領下のパリにいる少年一家の日々の日常、配給、灯火管制、学校、ユダヤ人.....そこには悲惨な出来事が身近にあるわけではない。でも、戦争の中にあるのだ。
1944年9月、解放されたパリの大通りをアメリカ軍がパレードをする。「......将校はじめ全員が柔らかいゴム底の靴をはいていた。行進バンドの音楽で、足音といえば、ゴム底のかすかな音くらいしか聞こえなかった。だから、軍隊の行進というよりは、運動選手の行進のようだった。」と彼は言う。そこに、戦争が終わったという....喜びが感じられる。
1945年9月2日、日本が連合国に無条件降伏をして戦争は終わった。
10月、学校、同級生が強制収容所から戻ってきた。「.....彼の両親も、二人の姉妹たちも、戻ってはこなかった。今や、彼はクラスの英雄だった。彼にとっての戦争も、やはり終わったのだ。」