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八王子の家

Architecture , BARRACK finder

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いま住んでいる八王子の家である。

1972年に父母が二人の家として建てた。まだ。東事務所のスタッフだった20代後半の私が設計(設計なんていえるかどうか)したのであった。その父母も亡くなり、昨年移り住んだ。33年前の家なのだ。

全体は、L字型の平面のスキップフロア、南下がりの片流れの屋根という構成である。
床面積は72.4㎡(21.7坪)の小さな家である。

1階は幅5.4mの車2台のピロティ(現況は父母が物置を増築)である。その右手は納戸兼暗室である。まっすぐ階段を3段上がって右手に玄関ドアがある。 玄関を入った半階上がった階は水廻り、その階から半階上がりが、幅9m・奥行き4.2mの2階部分である。西側の1.8m分が厨房、残りはワンルームである。

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開口部はその頃一般化しつつあったアルミサッシ、全て幅は1.8m幅に統一してある。道路に面した北側のファサード、同一のサッシを5本を全長に渡って設けた。ファサードの両端はサッシの内側に筋交いを設けてある。このコルビジェ風の「水平連続窓」は、甲州街道沿いの唯の材木屋の建物の影響である。

シングルガラスでアルミサッシ、断熱材は低密度のグラスウール50mm、このレベルでは寒くて暑い。まぁ、お金もなかったし、というのは言い訳にならないが、あの頃の普通の住宅の性能レベルはこんなものだったのである。

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今見ると「何考えたんだか」というものだが、この住宅は甲州街道で見つけた材木屋の建物に多大の影響を受けたのだった。その建物の構成と、そんなものでいいのだ、という何か啓示のように登場したのであった。今でもそんなに間違ってはいなかったと思っている。

もうちょっと性能を上げて、居住性能を上げてみたいと思っている。それに、ちょっとメンテナンスをしないと......。

甲州街道の元材木屋

Posted by @ January 5, 2005 08:49 AM
Comments

コルの「小さな家」をもう一度見てみました。.....この小さな家は、長年にわたって働き続けた私の両親の老後の安らぎの日々を想定したものである。.....と、本文ありました。
私は、八王子のこの家に両親が、ここで安らぎを......と想定したわけではありませんが、2人のアクティビティの容器としての役割は果たしえたのかと思っています。

Posted by: 秋山東一 @ June 18, 2005 12:05 AM

先週、テレビ東京で放映された"コルビュジェの小さな家(母の家)"を見てaKiさんが御両親の家に求めたものの原形があると感じました。

Posted by: iGa @ June 16, 2005 09:41 PM

まだ伺うことが叶っていない八王子のお家がエントリーされましたね。
45年以上前に立てられたハウスの木製の窓にくらべれば、若き日のアルミサッシを使った窓には「未来」が見えていたことと思います。
当時撮影された白黒写真がいいですね。車も比較できておもしろい。
遊びにいきます!

Posted by: 栗田伸一 @ January 5, 2005 04:30 PM

連窓が印象的なおうちですね。材木屋の建物にインスピレーションを得て設計したというところがいかにもAkiさんらしい。

Posted by: komachi @ January 5, 2005 09:36 AM