自立建築のあるまちづくり | [ Architecture , BOOKS ] |
新潟の震災は、復興という方向はまだまだであるようである。
こんな本があることを思いだし、神戸の震災での体験が本当に活かされているのか、もう一度、繰り替えさないためにも、紹介しておこうと思った。
本書の共著者である建築家・林英雄氏とは、1969年あたりに大阪で建築家・山崎泰孝さんの主宰していたAZ(流動的建築設計集団というべき組織であった)で、短期間だがご一緒したことがある。
彼は、神戸の震災をあの長田区で被災し、その体験から「自立建築」を実践する。
「自立建築」とは、地震・台風・洪水など災害によって、電気・ガス・水道の供給が停止したとき、それらの供給停止にかかわりなく、最低3日間、自給システムによって人々の生命を維持できる能力を備えた建築物をいう。──
「自立建築」は、建築家・林英雄の造語です。1995年1月17日未明・神戸市長田区、林は 全壊した我が家から這い出し、迫り来る火の海の中で救助活動に懸命だった。.......... 震災の翌年、96年11月、自立建築の第1号が竣工しました。名付けて「まぁぶる・おおみち」(長田区)。公的助成を受けた震災復興住宅としては、神戸市で最初の建築物となり、被災者たちをずいぶん勇気づけたものでした。地上9階建の「まぁぶる」はガス使用をやめオール電化。太陽光発電、雨水を利用した貯水槽を備えた。
上記は共著者、ヒントブックスの山田利行氏が2000年8月にお書きになったものである。
今回の中越地震は農村型というような、都市型ともいうべき阪神淡路とは異なる様相を呈するが、震災に対する「自立建築」が必要なことは何も変らないと考える。
林英雄さんからメールをいただいた。
From: xxxx@hi-net.zaq.ne.jpPosted by @ November 20, 2004 07:16 AM
Date: 2004年 11月 24日 10:22:39 JST
Subject: Re: 自立建築.....
To: xxxx@landship.co.jp
御紹介ありがとうございます。
新潟中越地震と、阪神淡路大震災10周年の準備期間が重なり、取材が増えています。でも、なかなか「自立建築」は増えません。
初期投資が増える/約2割増/のが、各自治体の悩みだそうです。30年更新の法的期間/住都公団の場合/を50年にすれば、良いと思われるのですが。住民・市民を定住させるという鳥取県知事片山氏の言や良し、と思うのですが。
神戸では、とにかく住居をあてがえば、仮設住宅を解消すれば、との観点からのみの施策が国の指導で行われてしまいました。中越、そしてこれからの東海、東南海、南海地震でのことを考えると、近隣性/コミュニティの崩壊・神戸の孤独死・山古志村移村が繰り返されざるをえないことが目に見えています・・・
自立建築の紹介ですが、1階にコンビニが入っていることも付け加えてください。