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BOOK OF CAMOUFLAGE

BOOKS

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まぁ、テレビは迷彩服だらけ、もちろんイラクで、その上、新潟での自衛隊も迷彩服(他に作業服はないんですかね)である。
「迷彩」「カモフラージュ」というと軍事オタクの関心事と思われてしまうが、そんな特殊な事柄ではなく、日常的な風景の中に存在する事象なのだ。

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迷彩デザイン-カモフラージュ・ブック
ワールド・ムック (501)

ティム・ニュアーク [著] 伊藤 浩子 [訳]

ISBN: 4846525015
出版: ワールドフォトプレス
定価: 2,501-円(税込)


そんな事象を理解するための、本邦初の迷彩・カモフラージュの一般本といえるのではないだろうか。

前段の解説部分は、迷彩・カモフラージュの誕生、カーキ色の意味から、20世紀の二つの大戦から現代まで、発展してきた迷彩・カモフラージュの技術、製造方法から、建築、デザイン、ファッションへの影響まで語られている。翻訳が生硬で、軍事オタクでも読解できないって感じだが、まぁ、しょうがないか。

本書の大部分のページは、大判のカラーで見せてくれるカモフラージュの実例である。雪原の白熊やその周辺に溶け込んだ爬虫類の動物から、解説に語られていた歴史的カモフラージュの実例、アート、CDジャケット、その他、日用品・玩具に至るまでのカモフラージュされた数々だ。しかし、圧巻は現在各国の軍隊で使われているカモフラージュのパターン集だ。まぁ、よく考えるなーっ、というくらいの豊富さなのである。
現在、世界中で350種類の迷彩図柄があり、それも増加傾向にあるそうだ。各国の軍隊はその国軍としてのアイデンティティのため独自の迷彩の軍服を必要としているらしい。これは、迷彩服が否定した、かっての軍服、英国軍の真っな軍服が持っていた意味と同じ理由というのがおかしい。

ちょっと古いニュースだが、米軍の精鋭、イラクでおなじみの海兵隊は新しい迷彩服を開発中なんだそうだ。それも、デジタルパターンなんだそうだ。趣旨はエリート部隊は他の部隊と異なった装いでなければならない(子供じみてるね)、ということなんだそうだ。
それが第二次世界大戦中のナチスドイツの武装親衛隊 WaffenSS のものと似ているとなると、ちょっと怖い感じである。歴史は繰り返すということか。

Wired News 010308 : Hotwired

本書の解説で記述されている現代的迷彩の元祖たるナチスドイツの迷彩パターンの軍服・軍装品等のコレクションが豊富な STEINER MUSEUM のウェブサイト。もちろん、武装親衛隊 WaffenSS のものも。

STEINER MUSEUM

Posted by @ October 31, 2004 06:41 AM
Comments

ton さん、こんにちは。
自衛隊の迷彩服にどんな種類があるのか分かりませんが、おっしゃる通りの「国内防衛」という理由で、砂漠色の迷彩は持っていないと思います。そして、イラク派遣に際して、自衛隊が装備している普通の緑の迷彩服に日の丸を付けて出かけたということではないでしようか。迷彩服でなくいてもいいんじゃないかな、という考えは、新潟の被災地でも考えられるわけですが、そこに軍隊という組織のアイデンティティーとしての「印」としてあるのではないかと考えています。

Posted by: 秋山東一 @ November 3, 2004 08:50 PM

戦闘する気がないという意思表示だろうというのは解っていますが、それならばグリーンの迷彩でなくてもよいのにそれを着用しているのは、という考えだったのです。軍隊であるのを示すのにグリーンの迷彩でなくとも良いわけですし。調達が雑作も無い事なのかどうかは判りませんけれど、では何故それ以外でないのか、と。(議論したい訳でなく、私がそう考えていた、という話ですが)

Posted by: ton @ November 3, 2004 08:23 PM

あのケプラー製のヘルメットは我国自衛隊、警察でもご用達ではないかな。
イラクの米軍を見ていると、スターウォーズの帝国軍、ストームトルーパーに本当にそっくりですね。
http://www.japanstarwars.com/figure-txt/basic-concepttrooper.html

Posted by: 秋山東一 @ November 1, 2004 06:05 PM

アメリカは何年か前にヘルメットを変えましたが、(鉄カブトをケブラー製のフリッツヘルメットに変えました。追随する国も増えています)それがやはり二次大戦のドイツ軍そっくりで話題になりましたよね。スターウォーズの帝国軍も似てますね。機能以外に格好良さを求めるとドイツ風になるのがおかしいと思います。イスラエルとアメリカの二国が一番、二次大戦ドイツ様式(殺戮も含めて)を愛していたっていう解釈は如何でしょうか。

Posted by: kawa @ November 1, 2004 05:22 PM

イラクに派遣されている自衛隊の迷彩服ってグリーン系で、「日の丸」までつけ、砂漠色ではないのは、米英軍とは異なり「戦闘するつもりがない」のを表現するという政治的なジェスチュアなのです。
必要ならば砂漠色の迷彩服を用意するなんて雑作もないことですから。

Posted by: 秋山東一 @ November 1, 2004 12:04 AM

国内防衛が目的の組織だから、それ以外の地域で活動するための装備を基本的に持っていないと言うだけではないでしょうか。それのために新規に装備する時間も予算もないと。

Posted by: ton @ October 31, 2004 07:57 PM

自衛隊が砂漠では目立ち過ぎる迷彩服を着ていたのはブラックジョークかな。その上、目印になるよう日の丸まで丁寧に縫い付けてあるし。

Posted by: S.Igarashi @ October 31, 2004 12:56 PM