030907

LUCAS CYCLE METER

CYCLE

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最近では自転車用のナビ、自転車用 GPS だってあるくらいで、なんでもありなのである。

[エコサイクル・マイレージ]のエントリーで提案した、自転車用トリップメーターの機能に「CO2削減値」「cal消費量」を表示させるなんて、屁のカッパというレベルなんであろう。
まぁ、とにかくコンピュータの進化はそんなことを可能にしてくれたのだ。

1959年、今から45年も前(そう書いて、我ながらびっくり、半世紀も前か)に、僕は1000kmの自転車旅行にでかけた。高校2年生の夏休みだった。八王子を起点に、軽井沢、長野、新潟、新発田、会津若松、郡山、水戸、八王子という1000kmの行程を実走7日間(全行程は10日間)という旅行であった。
その時、走行距離を記録したくなって、旅行用の自転車・アルプス・パイオニアに取り付けたのが、その頃、唯一、手に入る英国製自転車用距離積算計・ルーカス・サイクルメーター(LUCAS CYCLE METER)であった。今のトリップメーターの元祖みたいなものなのだ。

前輪の車軸につけるブラケットに、軽合金製の円筒形の小さな器械、プラスチックの窓に走行距離をデジタル表示する仕掛けで、前輪のスポークにネジ止めする小さな突起がメーター本体の5本の星型の羽根を回転させて前輪の全周を2mとして10mで一回転、赤字の一桁目が100m単位で、最終単位が1000kmという仕掛けであった。コチコチと音たてて5桁の積算計が回転して走行距離を示してくれた。
その旅行の前に取付けて出かけたが、1000kmもつことなく、旅行途中で壊れて作動しなくなった。
とにかく、その頃地方の道路は砂利道が当たり前、舗装道路なんてちょこっと街中しかなかったから、埃と振動とで壊れてしまった。

自転車自体だって、ロードレーサーなんてとっても無理、マウンテンバイクが適当な(あればね)時代であった。

ルーカスサイクルメーターの写真は、私の長年の自転車ガラクタを引受けてくださった、鈴木一彦氏の撮影による。氏はガラクタの山から、ルーカスを発掘し写真を撮ってくださった。

Posted by @ September 7, 2003 12:52 AM
Comments

どうもどうも、ありがとうございます。
この病気が直ることはありません。不治の病です。

Posted by: 秋山東一 @ September 7, 2003 10:22 AM

秋山さんから送られてきた「おもちゃ箱」にアルミのフィルム缶に入った精密機器らしきもの?があった。それならばと、缶から出してみると、分解されたLUCASのサイクルメーターであった。その前からブラケットとスポーク用の小物は目ざとく見つけていたが、まさか本体がこんなに小さいとは思いもしなかった。秋山さんから約10年遅れの自転車マニアは、この本体をカタログでしか?(たぶん)見たことが無かった。
直径15mmほどの本体内部にはエキセントリックと言うのか?軸がズレながら回るギア+カム軸があり、まん丸のロータリーエンジンという感じであった。裏側には製造年を示すらしい「57」と単位・適応車輪径の「K26」:Kはkm(英国製なのに)26はインチ、が刻印してあった。当時の日本のサイクリングは英国に学んでいるところが多く(例えば日本のネジの規格は英国規格)、そこからのフィードバックが多いのですが、かの国は100%舗装、山坂も少ないと聞いています。当時の日本の事情とはまったく違っているので、このメーターが一周することなく壊れたのも無理がないことでしょう。誰ですか「英国製だからしかたがない」なんて言っているのは!
これを見ていると、峠の上り坂に立ち向かい「絶対下りない(自転車から)からな」とつぶやきながら登って行くカッコイイ自分が思い出されます(笑)。今でも精神は変わりませんが「チョット休んでいかない?」という囁きがよく聞こえるようになりました。
この「おもちゃ箱」のせいか?最近1970年代のColnagoをつい衝動的に手に入れてしまいました。まだまだ病気は治りそうにありません。

Posted by: 鈴木一彦 @ September 7, 2003 09:59 AM