030809

Before After

etc.

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テレビ朝日の毎日曜のゴールデンタイムの人気番組「ビフォーアフター」、やらせもいいとこ、と思いながらついつい見てしまいます。
前に、出演依頼(「匠」として)の電話があって「僕はリフォームはあんまり・・」なんていってしまった。まぁ、とにかく、匠役は何をやらされるのかわかりません。いつもは事務所に座りっぱなしの匠が、あんなにまめに現場で道具なんぞ握ってなんて信じられませんが、とにかく大変であります。
もうリフォームを通り越して、建替えの必要あり、というような現場でもリフォームしちゃうんだからスゴイです。リフォームの手法はワンルーム、トップライト、ギミックってところでしょうか。
友人の話では一本の制作期間が6ヶ月とのこと、何人かの匠が今日もまた、なれない現場で「思い出」の品物で何か作っているのかな。
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いつも、番組途中のピアノ曲に、イームズの短編映画「おもちゃの汽車のトッカータ」を思い出し気持ちよくなったところで、「なんということでしょう!」で我に帰るのであります。

Posted by @ August 9, 2003 08:57 PM
Comments

「ドーダとヘェー」
赤瀬川源平と東海林さだおの対談集「ボケかた上手」に【人は「ドーダ」で生きている】と云う章がある。東海林さだおの提唱するドーダ学とは人々が自慢するときの態度を分類・考察する学問?らしい。まぁ、男の場合は「ドーダ」でいいけど、女の場合は「ドーヨ」でしょうね。オヤジは蘊蓄で「ドーダ」、オバハンはブランドで「ドーヨ」、小僧はラップで「ドーダ」、タトゥで「ドーダ」、小娘はミニスカで「ドーヨ」、中田は雪駄で「ドーダ」、と実に小煩い。男でも女でも「ドーダ」と「グチ」と「ウワサ」がなければ口数も減って世の中静かに平穏になるとおもうけど、そうはならないのが此の世の常、インターネット・サイトにも「ドーダ系」が溢れている。従って、私のこうした発言は天に向かって唾を吐くようなもので「ドーダ」の誹りを免れない。
ビデオリサーチによれば深夜からゴールデンアワーに進出したフジテレビ系「トリビア(trivia)の泉」がその他の娯楽番組の視聴率一位だそうだ。視聴者からの投稿による無駄知識(番組ではこれをトリビアと定義)に対して五人の評議員?が点数(単位:ヘェー)を与え、ヘェーの感心度の高い無駄知識が高得点となる。つまり、消費生活等経済活動の枠組みに囲い込まれていない知識はすべて役に立たない無駄でつまらないものである、という前提によって成り立っている番組である。

それでビフォーアフターに話しを戻すと、匠によるギミックや思い出の品によるインテリアグッズはまさに「ドーダとヘェー」の世界。あのヴァラエティ班のタレントは「ヘェー」を連発するための仕込み。
空間の魔術師で「ドーダ」、すかさず所が「ヘェー」、その他大勢が「ヘェー」「ヘェー」。
プロデューサーとスポンサーの思惑通りで「ドーダ」、躍らされている匠も「ヘェー」。

Posted by: 五十嵐進 @ August 20, 2003 11:12 AM

鋭い。関西系であったか。

Posted by: 秋山東一 @ August 18, 2003 04:58 PM

この番組がビデオリサーチの分類で云うところの教育・教養・実用番組の範疇でなく、その他の娯楽番組に該当するのであれば、それ程目くじら立てる事もないのかも知れない。
それで、これが娯楽番組とすると何だろうと考えていたら、上方というか関西の「いぢり芸」に通じるものがあるのではと思いついた。「いぢり芸」というと明石家さんまとかダウンタウンの専売特許みたいであるが、よくよく考えてみると昔から視聴者参加番組は圧倒的に関西で制作されたものが多い。そこで、ビフォーアフターがどうなっておるのかテレビ朝日のサイトにアクセスしてみたら、番組サイトはテレビ朝日ではなくABC放送に置かれていた。全国ネットだけれど、関西キー局が番組制作を担当、それで納得、関西在住の匠が多い訳だ。
家族をテーマにした視聴者参加番組は古くは都喋々・南都雄二の「夫婦善哉」、今では桂三枝の「新婚さんいらっしゃい」、他にも昔は「オモロイ夫婦」とか「オヤジバンザイ?」とかあったように思う。素人を「いぢる」或いは「いびる」ことで成り立っている番組は関西特有なスタイルじゃなかろうか。素人も突っ込まれてなんぼ、いぢられてなんぼ、いびられてなんぼの世界、そうした背景がなければ成り立たない。
ビフォーアフターは家族をテーマにした視聴者参加番組の亜種なんでしょうね。主役は家族であって、住宅は実は脇役、土曜ワイド・サスペンスドラマのようなナレーションで盛り上げるエピローグの思い出の品々によるお涙頂戴は予定調和の世界。だから、番組を見ながら、小屋組みの水平力が足りないとか、収納は足りてるのだろうかとか、そんな余計なことは考えてはいけないのだろうな。

Posted by: 五十嵐進 @ August 18, 2003 04:48 PM