鳶職のうた | [ Architecture , BOOKS , Hachioji ] |
コロナ渦で家篭り……、その間、Facebook 上で流行った【 ブックカバーチャレンジ 】、ネズミ講的に本の紹介を拡げていくというイベントが面白かった。
自分でもやろうかなと思わなかかった訳ではないが、急に読書家が増えた感じ……、人のを読むのに徹した。
その中で、芸大建築後輩の建築家・小川真樹氏の最後、七冊目のの本が気になった。尾股惣司著「鳶職(とび)のうた」という本なのだ。
「今日が最終回。この本は十年くらい前に奈良の古本屋でみつけたものです。積まれた山の下の方から私を呼んでいました。引き出してみたらこの表紙。迷わず買って読んだら、とにかく最高でした。泣けました。この本についてはもう何も言うことはありません!」
……と彼は書いている。
amazon を見てみれば、古本にして3万円超え……、すぐに市の図書館の蔵書を検索してみれば、各分館毎にある……というくらい沢山ある。それも不思議……と思ったのだが、本が手元に届いて氷解、この話し、八王子の追分町の町鳶のお話しだったのだ。
八王子は人口56万、東京都一の大きな町だ。旧市街は東西に延びる甲州街道、国道20号2.5km沿い、その西端に追分町はある。
職掌柄、鳶職は親しい存在だし、本書に登場する地名諸々、極々親しく、面白く読んだ。
著者の八王子追分の町鳶、尾股惣司氏は1928(昭和3)年生れ、14歳で追分町町頭ということだから、職人全盛……、そんな時代、ちょっと昔話なのだ。
猿橋、足場ものがたり/「つん留」の話/草鞋親/符丁の話/櫓地形の歌/松っつぁん爺い/人の口づて/職人今昔/御意見留さん/建具屋の亀さん/ピン次郎さんの話/高尾山の人たち/子供たちへ/鐘楼堂上棟/御本尊遷座
【街の人びと】
凧師二代/“チンドン屋”の七っちゃん/金ちゃん/鶯笛/献句余話/棒又の山車
【お祭り好き】
花万燈/まつり囃子/笛(とんび)づくり/三人ばやし/師匠と子供
【子どもと私】
生れたとき/スナップ写真/お年玉/私の試験勉強/おむすびづくし/悪童仲間/お地蔵様といたずら小僧/夢物語/家のお稲荷様
あとがき