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アーノンクールの旅

Event , THINK

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3日土曜日の午後、町田市鶴川の可喜庵へと出かけた。

編集者にして作家の松家仁之(まさし)氏の講演を聴くためなのだ。

今回の講演の主題である音楽家・指揮者のアーノンクールについて、私ははまったく知らず……。

というよりも、音楽とりわけクラシック音楽についてまったくの無知であるのだが、「火山のふもとで」の著者である氏にお会いして、ちょっと質問したいことがあったからなのだ。

「先日亡くなった私が最も尊敬する音楽家であり、指揮者である ニコラウス・アーノンクールについてならお話しできる気がします。…………20世紀後半のクラシック界に測り知れない影響を与えた人です。『音楽は対話である』、『古楽とはなにか』などの名著もあり、彼が音楽をどのように考えていたかを辿ることもできます。」と今回の講演について松家仁之氏は語っておられたとのことだが、氏のアーノンクールへの思いのこもったお話は、大いに聴かせるお話であったのだ。

しかし、氏のお話はアーノンクールに止まることはなかった。第二次世界大戦下でのアーノンクール少年時代のグラーツでの空襲体験の話から、ヨーロッパと戦争、そして、ツヴァイクベンヤミンカート・ヴォネガットへと……、その俯瞰すること止まることを知らず……、さすがのエディター魂であったのだ。

氏への私の質問は、「火山のふもとで」での、吉村順三をモデルとしていると思われる建築家の「しゃべり方」がどこからきたのか……だったのだが、氏のお答えは「吉村順三だけがあの建築家のモデルではないが、吉村には一度だけ会ったことがある」とのことであった。

一度だけ会っただけで、あのように書けてしまえる……、それも感銘したのであつた。

Posted by 秋山東一 @ December 5, 2016 05:35 AM
Comments

Shin さん、どうもです。
それは残念、アーノンクールを知らなくても(ちょっと寝てしまいましたが……)あんなに、面白かったのに。

Posted by: 秋山東一 @ December 5, 2016 09:03 AM

たった一度だけお会いしただけで、あそこまで「吉村」像を書けるのはさすがです
松家さんのお話、興味深かったな
僕はアーノンクール狂なので大変残念です

Posted by: Shin @ December 5, 2016 08:39 AM