この人から受け継ぐもの | [ BOOKS ] |
本書は氏の死後、2010年刊行、三つの講演記録と、劇作についての小論をまとめたものだ。
二つの講演……、現今の政治情勢について、この先達はちゃんと予見していたのだ。
立憲主義について、戦争責任について……、それは、今必要な知見ではないのか……。
amazon のカスタマーレビューでの本書の評価で分かるのだが、氏は劇作家としての評価はあっても、政治評論についいぇ何の評価もされていない……、あの頃はまだまだ牧歌的な時代だったのかな……。
今の時代に生きていてくれれば、大きな声でしゃべってくれたびではないか……と考える。本書は、今こそ読まれるべきものではないかと考える。
2 ユートピアを求めて――宮沢賢治の歩んだ道
父との関係,うつ状態/日蓮宗,家出,躁状態/農民運動,オペレッタ,エスペラント語/話し言葉と書き言葉/自然と和解する生き方/多面体としての人間/地上にユートピアを求めて/演劇――時間のユートピア
3 戦争責任ということ――丸山眞男に私淑して
「一億総懺悔」と「御聖断」/天下に三つの会談記録/一九四五年五月,箱根/六月,四回の会談/強いられた死,幻想の回路/東京裁判をどう見るか/読み継がれるべきもの
4 笑劇・喜劇という方法――私のチェーホフ
(1) 滑稽小説家の登場
(2) 笑劇の方法
(3) 笑劇から喜劇へ
(4) 喜劇作者の祈り
(5) 人間は生きたがっている
5 笑いについて
(1) ジョン・ウェルズの笑い
(2) アリストテレスの笑い
(3) ルイ十六世の笑い
(4) スクリーブの笑い