半藤一利と宮崎駿の腰ぬけ愛国談義 | [ BOOKS ] |
見たい……と思っているのだが、もう、世の中、たくさんの情報に充満ちているから、もう、映画を見てしまっている気分でいるのだ。
NHK で、半藤一利と宮崎駿の対談……というか、二人の放談を見た。そして、玉井さんが本書をブログ MyPlace2 に書かれているのをみて、私も読んでみようと思ったのだ。
二日間、7時間にわたるお二方の対談だそうだが、相手にとって不足なし……、半藤一利と宮崎駿が何を語るのか……大いに興味あることなのだ。
第一部
悪ガキたちの昭和史
共通点は漱石好き
隅田川の青春と朝鮮戦争
日露戦争と建艦競争
狙われた半藤少年と「宮崎飛行機」
零戦と九六式艦戦
日本は脇役でいい
『鉄腕アトム』から五十年たった今
忠犬ハチ公の銅像が建ったころ
ワシントン軍縮会議のおかげで
関東大震災と隅田川
川の街・東京
第二部
映画『風立ちぬ』と日本の明日
3・11のあとで
気の強い母・遊び人の父
とっつきづらかった堀辰雄
遅れてきた軍国少年の涙
ふたりの設計技師、二郎と本庄
美しい飛行機と軍部のノイズ
二郎の声と存在感
ハッタリ屋のカプローニ伯爵のこと
『草枕』は二十世紀最高の小説!?
『風立ちぬ』の中の昭和史
戦艦長門とエネルギーの大転換
「持たざる国」の将来のこと
アカの他人の善意が、人をつくる
おわりに 半藤一利
本書の「美しい飛行機と軍部のノイズ」の中で、坂口安吾の飛行機の思考についての反応、お二方の違いが面白い。
坂口安吾は「日本文化私観」で、鹵獲したソ連の戦闘機Iー16を羽田で飛ばしたのを見た事について語っているのだ。
先日、「青空文庫」呼びかけ人の富田倫生氏が、61歳という若さで死去されたというニュースを聞いたばかりだ。
本書の中で親しく語られる夏目漱石の「草枕」「こころ」、そして、映画の題名でもある堀辰雄の「風立ちぬ」が青空文庫で読める。その上、坂口安吾の「日本文化私観」まで読めるのだ。
我々は青空文庫の存在に大いに感謝せねばならない。これを作り出した故・富田倫生氏のご冥福を祈りたいと思う。
Facebook で粕田裕司氏が、ラジオで聴いた映画評論家・町山智浩の話しが面白かった……と云っておられたが、それをまとめたと思えるものがあった。
● 町山智浩さんの『風立ちぬ』の解説が深かったので書き起こしました。 - NAVER まとめ
玉井さん、どうもです。
宮崎駿は自分の好きな物、自分がカッコいいと思う物をちゃんと説明する……、それをしていないと思っています。又、それを万人に説明できると、本人も思っていないと思います。
物って、それを作った人間の考え方があって、作り方があって……、それが設計、デザインということになりますが、それらを含めて美しいとか、カッコいいということになる。それが兵器だったら……、彼は人に説明して分かってもらおうとは思っていなんじゃないかと……、だから表面の「美しさ」を強調しているんじゃないかと私は思っているのですが……。
昨夜、もういちど録画でテレビ対談を見ました。
堀越の飛行機の美しさを語るときの宮崎のうれしそうな表情をみていると、それでもやはり美しいものを作ろうとするひとを、彼は大好きだと思っているようですね。ということは、飛行機が戦争で使われなければいいのにということなんでしょうか・・・・ありえないことですが。