鉄条網の歴史 | [ BOOKS ] |
それが、柱に取り付き固定されると barbed-wire fence となり鉄条網となる。
本書は米国の片田舎、カンザス州ラクロスなる人口1300人なる町……、そこにある Kassas Barbed Wire Museum「有刺鉄線博物館」の訪問から話しが始る。
この有刺鉄線は米国の西部開拓時代、1860年代に実用化されたものなのだ。それも、農地に家畜が入り込まない為の設備だったのだが、それは大いに発展していくのだ。
第一章 西部開拓の主役―鉄条網が変えたフロンティアの景色
第二章 土地の囲い込みと土壌破壊―大恐慌に追い討ちをかけた黄塵
第三章 塹壕戦の主役―第一次大戦の兵器となった鉄条網
第四章 人間を拘束するフェンス―鉄条網が可能にした強制収容所
第五章 民族対立が生んだ強制収容所―「差別する側」と「される側」
第六章 世界を分断する境界線―国境を主張する鉄条網
第七章 追いつめられる先住民―鉄条網で排除された人びと
第八章 よみがえった自然―鉄条網に守られた地域
あとがき ー「外敵排除」の論理
参考文献
まえがきにある……、「……テレビニュースのなかで、被災した老人のひとことが鮮烈な記憶に残った。「あの鉄条網の柵は、外から人間が入り込んで面倒を起こさないために建てられたものと思っていたが、原発のなかの悲惨な姿をみせないものだった」……」。
そこに、今の問題として……鉄条網があるのだ。
Posted by 秋山東一 @ August 12, 2013 05:23 AM