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キーボード配列 QWERTY の謎

BOOKS

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キーボード配列 QWERTY の謎
Mythof QWERTY Keyboard

著者: 安岡 孝一/安岡 素子

ISBN: 978-4757141766
出版: NTT出版
定価: 2,940-円(税込)

コンピュータのキィボードを見ない日も、コンピュータのキィボードを見ない時間もないのだが、まぁ、このエントリー自体、コンピュータのキィを叩いて作っているのだ。

私の使う Mac は全て仮名なしのUSキィボードと呼ばれるものだ。日本語入力はローマ字入力なのに、仮名の付いたJISキィボードは要らないという理由……主に美的な理由で、キィボード付きで販売される Mac は全てUSキィボードが選択できる AppleStore から購入しているのだ。

ところで、どちらのキィボードでも QWERTY なる英文配列であることはよく知られている。クワーティと呼ぶようだが……、どうしてそのような配列なのか……それの話が本書なのだ。

私もずっと信じていた「QWERTY なるキィボードの配列は、タイプライターの印字部分のアームが絡んでしまうのを防ぐ為に考案された」なる説は間違っており、ガセネタである。

本書の著者、情報学者と教育学者である安岡夫妻は、それを「アンチQWERTY 説」と呼んで糾弾しようとしているのである。


目次
まえがき

第1章 ジ・アメリカン・タイプ・ライター
第2章 QWERTY配列の誕生
第3章 小文字が打てるタイプライター
第4章 女性参政権とタイプライター
第5章 タッチタイピングの登場
第6章 ザ・タイプライター・トラスト
第7章 遠隔タイプライターと文字コード
第8章 ドボラック配列とQWERTY説
終 章 なぜコンピュータのキーボードはQWERTY配列になったか

あとがき
引用図版一覧
参考文献
索引


あーっ、疲れた。
片仮名の固有名詞と年号……と脚注ばかり、興味深い挿絵満載なのだが深い解説はなし……、疲れる様にできている本なのだ。

「キィボード配列 QWERTY の謎」というタイトルだが、その普及の経緯は詳しいが、どうして QWERTY 配列は生まれたのか……という最大の疑問について、分かるように書いていない。

それがあって初めて「アンチQWERTY配列説はでたらめ」とか、これからのキィボード配列とはかくあるべしとか言えるような気がする。唯一の結論は「QWERTY配列の歴史は、結局、生産者側の押し付けの歴史に他ならない……」だ。こういうのを羊頭狗肉……というように記憶している。

前書きやあとがきの「……嘘だ、ガセネタだ」と下品な言い樣、著者ご夫妻の言う「アンチQWERTY配列説」に対する敵意には、辟易とすること間違いなし……と思うのだ。


追記 130603

本書の著者・安岡孝一氏のお名前で検索すると……いろろ出てきて、本書の内容の信憑性まで問題視されておられますですね。
 ● QWERTY配列 - Wikipedia


Posted by 秋山東一 @ June 3, 2013 09:25 AM
Comments

安岡孝一樣、はじめまして、こんにちは。
当方の理解力不足はいたしかたないところですが……、残念ながら、理解できておりません。

Posted by: 秋山東一 @ June 3, 2013 08:01 PM

うーむ、pp.11-12、pp.23-25、p.32、pp.37-40、p.58で解説した各々アドホックな変化要因は、全くご理解いただけませんでしたか。残念です。

Posted by: 安岡孝一 @ June 3, 2013 01:58 PM