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イームズ入門

Architecture , BOOKS

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イームズ入門
―チャールズ&レイ・イームズのデザイン原風景

著者: イームズ・デミトリオス   Eames Demetrios
訳者: 助川 晃自/泉川 真紀

ISBN: 978-4783010005
出版社: 日本文教出版
価格: 3,675-円(税込)

先日の OZONE での展覧会 essential EAMES を観た時、コンランショップで買い求めた。

この展覧会場で始めて見たものだから、新刊……と思ったら、2004年出版のずいぶんと前からあった本だった。知らなかったなぁ。

そのまま積読状態のものだったのだが、帯の裏側に Charles Eames 1907.6.17ー1978.8.21 とあるのを気が付いた。チャールズ・イームズって亡くなったのは71歳だったんだ……。

やぁ、あれだけの仕事を70歳で成した……、その偉大さに脱帽(当然だけど……)、本書を開いたのだ。

・ ・ ・ ・ ・
本書の原題は An Eames Primer とある、The とないところが……なのかな。

著者の Eames Demetrios イームズ・デミトリオスはイームズ夫妻の孫ということだ。氏は Eames Office イームズオフィスの代表で、自身もフィルム作品も発表しているクリエーターとのことだ。


 目 次
   序文

  チャールズ&レイ・イームズの多様な世界
  [ニュートン・カード]
  ロータ
  イームズ・チェア 30年のひらめき (第一部)
  良く学ぶ者
  広い意味で絵を描くこと
  メキシコからクランブルックへ
  チャールズ&レイ・イームズ
  30年のひらめき (第二部)
10 楽しみには真剣に
11 「ケーススタディ・ハウス#8」
12 映画というエッセイ
13 ゲストとホストの関係
14 制約
15 マテマティカ
16 901文化
17 モデル化
18 「もしオフィスが島だったとしたら」
19 映像が思考になる
20 プレゼンテーション、スケッチ、「パワーズ・オブ・テン」
21 10年を隔てて
22 むすび

   謝辞
   出展一覧、索引


序文、祖父であるチャールズ・イームズの著者の少年時代の思い出話しから始る。それもカメラの話しだ。

チャールズ&レイ・イームズの多岐にして多様な世界、そこに通底する思想を語るのが本書だ。

それも [ニュートン・カード] という、ノーベル賞受賞した IBM の江崎玲於奈の受賞記念晩餐会の記念品として考えられ作られた……たった四日間で。このカード制作のエピソードで、イームズの考え、その時代、イームズ・チームの制作現場、その先見性を語る。そして、イームズの「インド・レポート」……、ロータなるインド特有の水を運ぶ金属容器のデザインの話しへ……、徐々にイームズとは何かが語られていくのだ。

数多のイームズの作品集を越えて、イームズの本質を語る……、そして、より深い理解の為のガイドを示す、まさしく Primer 入門書なのだ。

・ ・ ・ ・ ・
昔、私は、まだ高価であったパイオニアのレーザーディスクプレイヤーを購入した。それも唯々イームズのレーザーディスクが出る……という話しがあったからなのだ。それは、プレーヤー購入から半年後くらいに……やっと手にしたものであったのだ。

追記 130219

これはエディトリアルデザインの意図……というべきものかも知れないが、紙質、本文の印刷がひどい。結構……読み難いというレベルであると思う。内容がすばらしいのに損をしているなぁ。

同時に開いていた LONDON UNDERGROUND BY DESIGN の紙質、本文印刷の美麗さとは大いなる差がある。


Posted by 秋山東一 @ February 18, 2013 02:01 AM
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