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絵のある自伝

BOOKS

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絵のある自伝

著者: 安野光雅

ISBN: 978-4163747002
出版社: 文藝春秋

価格: 1,628-円(税込)

「身のうえ話を書きました。絵もいっぱい描きました。」と帯にある。「過ぎたことはみんな、神話のような世界ー」ともある。

1926(大正15)年生まれ、86歳の安野光雄の身の上話しを面白く読んだ。

86歳にもなれば「……神話のような世界……」なんて言えるのかと思うと、年取るのも悪くないのかも知れない。

彼の最初の絵本「ふしぎなえ」からの読者だが、なんだ……エッシャーの真似じゃないか……と思ったものだが、その後の「ABCの本」で……感心してしまったのだ。

その後、どんどん巨匠に……、その彼の自伝なのだ。


目次
 ハナ ハト マメ
 父のこと
 姉と刺青の善一
 不登校と不信仰
 つえ子のこと
 少年倶楽部
 七月七日
 美の使徒
 宇部工業学校
 宇部の少年時代
 宇部の青年時代
 炭坑へ
 弟のこと
 船舶兵
 農民兵士の手紙
 敗戦の渾沌
 田舎教師
 父の死
 大原美術館
 小原先生
 養運寺
 咸臨丸
 結婚のこと
 アトリエ
 村松武司
 海外旅行
 母の死
 テレビのこと
 売春防止法の夜
 ダイアナ妃のこと
 旅の絵本
 司馬さんと街道を行く
 がんセンター
 佐藤忠良
 ABCの本
 即興詩人
 空想犯

 おわりにー篆刻のこと

 広告のページ


自伝であり、交友録であり、そこに思考し、感じる安野がいる。

「父の死」で、戦後72歳で亡くなった彼の父上が、彼に些細なことで「スマナカッタナ」と詫びる話しがある。その時、彼は……泣いた。……、全ては……神話のような……なのである。

Posted by 秋山東一 @ May 13, 2012 03:18 PM
Comments

miles さん、どうもです。
津和野には一人でぶらぶらしましたが、安野の美術館には行ってませんです。又の機会に……。
津和野と言えば、私の絵の先生であった喜多村知(さとる)の父上の故郷で、氏は津和野の地をこよなく愛した人だそうです。母上も萩の出身……、なんとなく、津和野に親しみを感じています。

Posted by: 秋山東一 @ May 14, 2012 09:21 AM

AKI先生、どうもであります。
柿木村の隣り町、
生地の津和野の駅舎のすぐ近くに
10年ほど前に安野光雅美術館ができました。
(ご一緒しましたかね?)
土蔵を模したファサードのいたって
小京都の街並みに相応しい(?)意図の
建物ですが中は安野光雅ワールドで満載です。


Posted by: miles @ May 14, 2012 08:49 AM