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ベーハ小屋|北田英治

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先週4月7日、写真家・北田英治氏の写真展「ベーハ小屋」のオープニングパーティであった。
大勢の参会者の方々で賑わい、北田を囲んだ心温まる集まりであった。

そこで、参会者の配られたのがこの立派な写真集であった。

氏のプロフェッショナルな眼で、その風景の中から抽出されたベーハ小屋は美しい。


建築家・齊藤祐子氏が前書きが寄せられている。ここに転載することにする。

「ベーハ小屋」精算と暮らしの風景」
 暮らしのみえる風景を追い続けている写真家 北田英治氏が、小さな小屋のある場所に光をあてている。小屋根のある土壁の「ベーハ小屋」は、稲作に適さない山際の土地や、裏作として田んぼで栽培された、アメリカ原産の葉煙草を薪で乾燥させる生産施設である。
 1930年前後、刻み煙草から紙巻煙草へと消費が変わる時代に、自然乾燥の煙草の葉から火力乾燥の「ベーハ」へと生産が移っていく。同型の乾燥小屋が益子や讃岐など全国に、また当時の日本経済圏・台湾・朝鮮半島にも拡がっていた。建設されてから20年近く使われ、その後は石油を使ったコンテナに変わっていった。年月を重ね、風景になじみながら、現在は残念なことに取り壊され、失われていく。
 「益子の里を巡る時なだらかな起伏を背に、小屋根を乗せたベーハ小屋と呼ばれている煙草人工乾燥小屋がいくつも現れる。どこかで見た風景、十数年前に台湾で見た風景と繋がっていた。」と、2005年10月に益子で写真展「ベーハ小屋」を開催した時に、北田は最初の出会いを語っている。その後も讃岐を始め、数多くの「ベーハ小屋のある風景」にカメラを向けてきた。そこには時代を映し出す、生産の記憶を刻み、生産と暮らしが結びつく場所への、写真家の嗅覚が見いだした風景がある。
齊藤祐子(2012年3月春分)


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Posted by 秋山東一 @ April 10, 2012 05:44 AM
Comments

iGa さん、どうもです。
それはよかった。iPhne をもってしても、なかなか分かり難い場所でありましたですね。
はい、ベーハ小屋にある種のシステムの存在を感じているところでありますです。

Posted by: 秋山東一 @ April 10, 2012 08:31 PM

今日は午前中に市ケ谷方面で授業があったので最終日に間に合いましたです。小屋のスタンダードモジュールと下屋のバリエーションが東一好みの様な...

Posted by: iGa @ April 10, 2012 05:47 PM

たかさん、どうもです。
Facebook で島崎爽助氏が「思わず、うなってしまいました。写真の力・・・、いまだ衰えず!」と言っておられますです。

Posted by: 秋山東一 @ April 10, 2012 10:22 AM

素敵な「写真集」ですね...。

Posted by: たかさん @ April 10, 2012 08:08 AM