原発にしがみつく人びとの群れ | [ BOOKS ] |
本書は日本共産党政策委員会の委員による百数十頁の小冊子だが、あからさまな書名「原発にしがみつく人びとの群れ」に引かれてゲットし、軽く読んでみたものなのだ。
もう、ネットの世界では常識の「原子力村」と言われる世界、それを糾弾する主張が明快に頭に入るものであったのだ。
1.ACジャパンと電力業界との知られざる関係
2.原発利益共同体——産業界を総結集した原発推進体制の完成
3.原発推進の最初から形成された「原子力村のペンタゴン」
4.電力業界と原発産業の政治的代弁者——「ペンタゴン」政界編
5.「規制機関」の看板で原発政策を暴走させてきた官界
6.「学問」や「科学」の名を騙って原発を推進してきた原子力学会
7.「原発マネー」に翻弄され、「安全神話」を振りまいてきたマスメディア
8.原子力村のペンタゴンの癒着が生み出す腐敗ともたれ合いの関係
9.原発災害の除染と賠償は、原発利益共同体の責任
おわりに
あの震災・原発事故以降の打ちひしがれた時間、それをますます憂鬱にさせてくれた……テレビ、この音とともにあるのだ。
それを提供してくれたACジャパン……「公共広告機構」なる組織の実態、それが電力会社の広報機関であり、原発推進の一翼を担っていることを暴いてくれる。
政界・官界・財界・学界と、原発推進の為に張り巡らされた「原子力村」の全てが暴れていくのだ。
本書の全ての記述は、【資料】という形で補足される。その全てが公になっている資料、名簿等々で補足されていく。平易な記述でありながら。現在の日本、その原発を巡る世界を抉り出す好冊子なのだ。
本書の書名「原発にしがみつく人びとの群れ」が魅力的なのは「……群れ」なんだろうな。「群れ」には「なかま。同類」の意味あり……、で納得なのだ。