120224

秋山設計道場@鹿児島/コンペ

BeV Standard

dojo7_Kagoshima_project_0.jpg
設計道場のメインは、設計課題の即日設計、その発表・講評なのである。

しかし、今回の秋山設計道場第7クール第2回@鹿児島は異例の展開となった。

まず、今回の道場の開催を引受けてくださったシンケン迫さんが出題、住宅ではなく家具工場……それも実際に建設される「 SINKEN WOODWORKS 」の家具工場に対するプロポーザルコンペという形になったことだ。

 ● 設計課題概要

その発表・講評……審査・表彰は22日午後12時30分からシンケンスクエアの講堂で行われる事になったのだ。


22日昼、シンケンスクエアの階段教室のように設えられた講堂に道場生が参集した。

前日の懇親会で大いに楽しみ、二次会……三次会の方々もおられたであろう。しかし、本課題エスキース作成の為、徹夜の方々、食事抜きという方々大勢ということになってしまったのだ。

しかし、そのような状況であっても容赦なく課題の発表が始まったのである。今回、60人近くの発表であったが、全員の発表を目指して最終時間を外してやることになったのであった。

sinken120222_1.jpg

課題発表はいつもの通りであったが、「この計画はいくらで出来るのか」という迫社長の鋭い指摘が、その場を大いに緊張させたのであった。

発表者の発表順がアトランダムに決るため、予約航空便の都合で発表することなく会場を退出しなければならない参加者もおられ、……残念な事ではあったが、発表・講評は粛々と行われたのであった。

sinken120222_2.jpg

最終の審査を相談する迫社長とシンケン家具工場責任者の有馬博人氏である。

その結果、次の二案に絞られてきた。香川の菅組の小野さんと名古屋コスモホームの森井さんの二案である。その要因は予算原価500万円で現実的に建設可能かどうかという、迫さんの判断が大きい。
そして、増築可能か……、荷捌き場の屋根は……、ストーブの煙突は見えるのか……、それらの要因で絞られていったのだ。

sinken120222_On_0.jpg+

大きな片流れ屋根の下に要求されている家具工場の全てを収めている。トラックの積み降ろしの機能も建物内部に備えている。

sinken120222_Mo_0.jpg+

大きな切り妻型の屋根の下に要求されている家具工場の全てを収めている。工場部分と事務・展示部分を分離してその中間にトラック用の荷捌き場をもってきているのが特長だ。

sinken120222_3.jpgclick

最終的に、最優秀賞は森井さんに決定した。

小野さんの案との大きな違いは、事務・展示部門を工場と分離している点だ。これは、まず工場部分を作って……というような工事の分離し易いという要素もある。

増築し易いのは片流れか……、その高い面に在庫のガラスを使って……等々、迫さんの設計の考え方の実際に触れるよい機会であったのだ。……その正解は森井案、小野案の中間あたりにありそうであった。

というわけで、森井さんに賞品の椅子が有馬氏から贈呈されたのである。

森井さん、おめでとう。


追記 120224

森井さんに賞品として手渡された椅子は、森井さんの脚の長さに合わせて作られたものではない。シンケンの食卓のスタンダード、高さ650mmに合わせた座の高さの椅子なのである。

シンケンは、新しい生活スタイルの提案として、食卓の高さを変えようとしているのだ。


Posted by 秋山東一 @ February 24, 2012 02:48 AM
Comments