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いのちと放射能

BOOKS

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いのちと放射能
ちくま文庫

著者: 柳澤 桂子

ISBN: 978-4480423603
出版: 筑摩書房
価格: 588-円(税込)

MADCONNECTION のエントリーで本書を知って読みたいと思っていたのだが、家内が購入していた。早速、拝借して読了した。

生命科学者である著者は「私たちは星のかけらでできています」という話から始める。宇宙の始まりから生命の創世、そして人類の誕生……、その人類を人類たらしめている情報はDNAにあることを解いていく。

そして、放射能がそのDNAを傷つけ、その結果がガンや奇形を引き起こし、DNAの傷が子孫に伝えられていく……


目次
はじめに

私たちは星のかけらでできています。
DNAはいのちの総司令部
DNAは親から子へ受けつがれます
放射能を浴びるとどうなるのでしょう
弱い放射能がガンを引き起こします
放射能はおとなより子どもにとっておそろしい
お腹の中赤ちゃんと放射線
少量の放射能でも危険です
チェルノブイリの事故がもたらしたもの
人間は原子力に手を出してはいけません
これ以上エネルギーが必要ですか
それはこころの問題です
ひとりひとりの自覚から

あとがき(1988/10)  文庫版への長いあとがき(2007/8)

解説 永田文夫


本書は1988年11月に「放射能はなぜこわいー生命科学の視点から」として出版された。それは1986年のチェルノブイリ原発事故を受けて、生命科学者として、放射能の危険性を伝えねばという使命感の元に書かれた。
そして、19年後、文庫判として「いのちと放射能」と改題して2007年に出版されたのが本書だ。

本書には著者による「文庫判への長いあとがき」という長文の後書がのっている。チェルノブイリ原発事故から21年……、著者は坦々と書く「……2000年4月の事故14年目の追悼式で、ロシア副首相は、事故当時の現場処理に携わった86万人の作業員のうち、5万5千人が亡くなった……。2005年には、ロシアの社会保険発展相が、この事故で健康を害した人は、ロシアで145万人であると述べている。……」

未だ収束の気配さえ見えない福島第一原発、ますます拡がる汚染地域、このあとがきが記しているチェルノブイリの世界、これから20年後の福島の姿であって欲しくない。

Posted by 秋山東一 @ July 15, 2011 04:14 PM
Comments

大飯原発再稼働原発再稼働は核廃棄物の処理方法が無い現状では子孫にその処理ゆだねなければならない
今の年金制度と同じである
大飯町の人々の喜ぶ姿
政官界のそして我々世代も同じ穴の狢

Posted by: neucleadoctor @ June 18, 2012 04:58 PM

宮城県も稲藁や人々が汚染されているのですね。

Posted by: miyagukenn @ July 22, 2011 05:00 PM

宮城県も汚染されているのですね。

Posted by: miyagukenn @ July 22, 2011 05:00 PM

拝読中であります、僕も。
六カ所のことを含め、「原子の力」の「怖さ」を日本の政治家やマスコミはもっと伝えるべきです。

Posted by: たかさん @ July 17, 2011 07:56 AM

20年後の福島の姿ではなく日本の姿です
チェルノブイリは北はスウェーデン南はイタリア中部ぐらいまで
陸続きのヨーロッパですから早々原発と離縁した国も
いま本当に危険なのは六カ所の行き場のない捨場、東アジアとロシアが吹っ飛ぶぐらいです

Posted by: shin @ July 16, 2011 02:21 PM