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隠される原子力・核の真実

BOOKS

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隠される原子力・核の真実 ー原子力の専門家が原発に反対するわけ

著者: 小出 裕章

ISBN: 978-4915970368
出版: 創史社

定価: 1,470-円(税込)

3.11 以降、ネットを通じて、京都大学に原子炉実験所なる施設があって、そこに小出裕章・助教なる人物がいることは多くの人たちが知ることになった。

その氏の発言、福島第一原発事故以前の発言を集めて編集されたのが本書だ。昨年の12月に出版されているのだ。私が手にしたのは6月11日発行の第9刷だ。

原発事故後の「起きてしまった過去は変えられないが、未来は変えられる」という言葉は本書のものではないが、原発再稼働させようという国、地方、財界、電力会社、マスコミの大合唱……、それに抵抗する主張がここにある。


もくじ
はじめに

 1章 被爆の影響と恐ろしさ
 2章 核の本質は環境破壊と生命の危険
 3章 原子力とプルトニウムにかけた夢
 4章 日本人が進める核開発
 5章 原子力発電自体の危険さ
 6章 原子力に悪用された二酸化炭素地球温暖化説
 7章 死の灰を生み続ける原発は最悪
 8章 温暖化と二酸化炭素の因果関係
 9章 原子力からは簡単に足を洗える
10章 核を巡る不公正な世界
11章 再処理工場が抱える膨大な危険
12章 エネルギーと不公平社会

あとがき

※英文略語一覧


本書の5章の61頁の図19は「チェルノブイリ原発事故による汚染の広がり」という地図だ。それは、今回の福島第一原発事故を予想されておられるかのように(福島原発を当てはめる)なる但し書きの元、チェルノブイリ原発事故の広がりを日本地図上に拡げてみせてくれているのだ。

まだまだ、収束の見えない福島第一原発事故……、どれだけの汚染の拡がりを見せるのか、予断を許さない。

Posted by 秋山東一 @ July 2, 2011 10:05 AM
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