Jobs' New House /2 | [ Apple , Architecture ] |
・
GIZMODO の「【独占!】ジョブズが建てる家」で公開されているジョブズの家の図面を検証してみる。
図面は TOWN OF WOODSIDE ASRB DRAWINGS とあり、今回の建替えの許認可を仕事とする Woodside Town の建築敷地調査委員会……、Architectural and Site Review Board (ASRB) への申請図であろうと思われる。それが公開されているのを GIZMODO が拾ってきたのであろう。
まぁ、実施図面というわけではないから、このまま建てるという図面ではないと思うが、非常に興味深い計画ではあるのだ。
設計者は、世界各国に展開される Apple Store の設計の任にあたる Bohlin Cywinski Jackson 設計事務所だ。図面のスケールは 1/8"=1'0"、メーター図面の 1:100 にあたる 1:96 となる。
この平面配置図には母屋と、それに直交する形で配置された3台分のガレージを確認できる。母屋の長手方向は南西に面した配置となっている。アプローチは東からだが、ガレージ前には十分な広さが用意されており、少なくとも4台の来客用の駐車スペースが用意されている。
そして、まっすぐエントリーポーチへと導くぺーブメントが用意されている。
これは平面図、平面配置図と同じものだが、少々拡大したものがあったので載せてみた。
この単純明快な平面図は、クライアント、住い手たる Jobs 一家の、はっきりとした意思、要望を具現化したものであろうことは明確である。
建築的にはコアシステム、フランク・ロイド・ライトを思わせるコア部分だ。そこに設備的な要素を集中させ、それに沿った自由な平面部分を可能とさせている。その両側に沿う形で空間を構成して住宅としての機能を作り出している。
残念ながら図面に表記されている寸法を読むことができないが、およそ5m×28mの空間がメインの空間、厨房、食堂、居間、そしてメインベッドルームと連なっている。各々の機能はコア部分と一体になって機能する。
大きな厨房には石釜(……と思える)が用意され、外に連なるポーチの外にはキッチンガーデンまである。厨房と一体になった食堂にはパントリー、居間にはエントリーホールと化粧室が連なり、コア側に暖炉がある。そして、これも広いマスターベッドルームにはドレッシングルームに水回りだ。
そして、反対側には3室のベッドルーム、そしてプレイルームが用意され、コアには二つのバスルームが用意されている。
玄関扉以外は全て引き戸であるのも大いなる特長、これも何か意思を感じる部分だ。コア以外の部分が、壁、あるいは開口部を構成しているのかは定かではないが、このような敷地の中にジョンソン邸のようにあるのかなぁ……と想像してみる。
この家の最大の特長は自分自身の為の空間しかないということだろう。実に実質的、実用的、単純明快な平面計画なのだ。ジョブズは超お金持ちなのだが、そんな片鱗も感じさせない家なのだ。
私には、この空間を闊歩するジョブズが見えるような気がする。家での彼はプレーンな空間さえあればいいのであろう。
A2.1a 天井伏図、大きな軒が出ているのが良く分かる。居間と寝室にはプロジェクター設備が表現されている。
A2.2 屋根伏図、中心となるコア部分と両側の屋根が分かる。フラットルーフと広い軒を構成する傾斜屋根が分かる。ややライトを感じさせる。ガレージも同じ屋根構成だ。
A1.1 全体敷地配置図、敷地面積は 6 エーカー、24,000㎡、7,200坪以上ある。母屋、ガレージ以外に二棟の建物が計画されており、ゲストルーム、その他と思われる。赤線で囲んだ部分が平面配置図の範囲である。
A1.2 造園計画図かなぁ。いろいろ不明……。
「たまには日記でも・・・」の yasu-k さんも、この計画には大注目である。
● ジョブズの新しい家の図面が公開されているらしい・・・:たまには日記でも・・・:So-netブログ
yasu-k さん、どうもです。
見れば見るほど、きちんとした設計過程が見えてきますね。ジョブズの考えが明快に出ていると思います。となると……、Apple の製品群のデザインの質と同じものがあると言えますね。
Woodside Town の町との交渉の過程からいっても、この建物が建つ、現実化するのは間違いないのではないでしょうか。
この様な、資料まで流出してしまうんですね。ネット上の情報だけでは興味が沸きませんでしたが、先生の検証を拝見してジョブズが求めたものが少し解ったような気がいたします・・・
Posted by: yasu-k @ October 11, 2010 12:56 AMapp さん、どうもです。面白いですねぇ。
私は米国……というか、外国……で仕事をしたことがありませんので分かりませんが、住宅なんぞの建物について、町のような小さな行政単位が大幅な権限を持っているのではないかと思います。従って、Jackling House を建替えるについて、小さな町 Woodside Town が大きな権限を持っているのでありましょう。
プライバシーの問題もありますが、基本的にはこの通り進むのではないでしょうか。従って、住み手であるジョブズ一家の考えが大いに反映されている……を出さざるをえないということなのではないかと思います。
地下室の考えは、このような基礎部分を全部……というのが一般的な考え方であると思います。
>お金持ちだったら、書庫、図書室、家事室とか造りそうな……
そこが、お金持ちのジョブズの家の特色のように思います。彼はそのようなものがまったくいらない人なんでありましょう。この家は、人に見せるものも、無駄も何もない家、それがジョブズの家である証のような気がしています。
非常に興味深い資料ですね。
セキュリティを考えて施工時には変更されるんかなぁ??
門外なんでわからないのですが、地下がまるっと収納なんでしょうか?お金持ちだったら、書庫、図書室、家事室とか造りそうな気がするのですが。。。
Posted by: app @ October 10, 2010 03:51 AM