祖父たちの零戦 | [ BOOKS ] |
本書の書名「祖父たちの……」は、ちょっと前なら「父たちの……」であったろう。あるいは「兄たちの……」であったであろう。
戦争が終わって65年……、零式艦上戦闘機に搭乗し戦い、生き残った人達も、既に祖父であり、又、天寿を全うされている方々が大部分なのだ。
本書は二人の海兵60期、零戦隊を代表する飛行隊長であった進藤三郎少佐、鈴木實中佐の話しだ。零戦の登場から、太平洋戦争開戦、そして1945年の終戦(というか敗戦……)、そして戦後、彼らの最期までの話しだ。
第一章 黎明
第二章 奮迅
第三章 逆風
第四章 完勝
第五章 落日
第六章 焼跡
第七章 変容
第八章 蒼空
関連年表
取材協力者・参考文献・資料一覧
本書、零戦乗りの最後の総括としての著者の気負いか……、多くの有名無名の零戦乗りの戦後……ちょっと混乱である。
私の叔父も零戦乗りであった。海兵73期、終戦時、秋水部隊所属、ポツダム大尉……、その叔父も遠の昔、戦争を生き延びながら50代初めに亡くなっている。彼は父ではあったが、祖父ではなかった。でも、その死は遅れてきた戦死……と言われていた。
蓼科のご隠居、どうもです。
「トレイシー」なるドキュメンタリー、面白そうですね。読んでみます。
同じ講談社の「トレイシー」も。
Posted by: 蓼科の隠居 @ August 20, 2010 04:29 PMFumanchu 先生どうもです。
当方昭和17年生れですが、昭和4年生れの姉上となれば、完璧な戦中派、その記憶もばっちりであらせられますね。
その年代では、やはり叔父ですが、終戦時海兵にいた叔父が健在です。戦後になっても、ポツダム大尉の兄と兵学校の弟とは旧帝国海軍の序列を引き次いでいたと聞いています。
一昨年、二人の中尉殿が亡くなりました。
妻の親友の父はラバウル航空隊の軍医殿。
知人の義父は飛行機乗りでした。
今、廻りに存命の筆頭は大正14年生の義兄、昭和4年生の姉です。「新京康徳会館地下の食堂は豪華だったが、子供としては旧市街の甘栗太郎が魅力だった。」など「子供として戦争を知っている」世代ですね。
「通学路にはしょっちゅうクーリーが死んでいた」という育ち方をしているので、終戦前に引き上げて、昭和20年6月18日の浜松大空襲に遭遇しても、「あのときも道に沢山死んだ人がいたね。」です。