090323

人類の足跡10万年全史

BOOKS

4794216254.jpg


人類の足跡10万年全史
 Out of Eden: the peopling of the world

著者: スティーヴン・オッペンハイマー Stephen Oppenheimer
訳者: 仲村 明子

ISBN: 978-4794216250
出版: 草思社
価格: 2,520-円(税込)

我々、現世人類の祖先は二十万年前にアフリカに生まれた......というニュースを見聞きしたのはいつごろだったんだろうか.......、The Search for Adam & Eve という特集が、News Week ニューズウィーク誌に組まれたのが1988年とのことだから、その頃、もう20年以上前のことになる。

最近、流行りの脳科学本なんぞを手に取ると、えーっ、そんなことまで分かっちゃってたの.......と感嘆することしきりだが、本書は何十万年前の人類の足跡が手に取るように書かれているのだ。
Once upon a time.............8万数千年前に、アフリカから紅海を渡ってユーラシア大陸に渡った小集団が現世人類の全ての祖先であった..............やぁ、ひさしぶりの知的興奮........であるのだ。


目次
    謝辞
    はしがき

 プロローグ
第1章 出アフリカ
第2章 現生人類はいつ生まれたのか
第3章 二種類のヨーロッパ人
第4章 アジア、オーストラリアへの最初の一歩
第5章 アジア人の起源を求めて
第6章 大氷結
第7章 だれがアメリカへ渡ったか
 エピローグ
    付録1 イヴのほんとうの娘たち
    付録2 アダムの息子たち
    解説 松村秀一
    人類の足跡地図
    本文図表索引
    口絵クレジット


現生人類の祖先はアフリカで生まれ一度は絶滅しかかったが、やがて、アフリカを旅立った。だがその旅立ちはたった一度しか成功しなかったという.............、そしてアジアへ、オーストラリアへ、ヨーロッパへ、アメリカへと人類は世界各地へ拡がっていったのだそうだ。

このような詳細が明らかになったのは最新の遺伝学に進歩によるものだそうだ。現在の各地の人間及び古代の人骨から採取したDNA情報、ミトコンドリアDNA、Y染色体の研究分析に............。又、考古学や古気象学の進歩によって得られた気候の変動、火山の大噴火、海水面の変動等の事象の分析によって、本書は現生人類の足跡を驚くほど詳細に描き出してみせてくれるのだ。

Posted by 秋山東一 @ March 23, 2009 05:21 AM
Comments