090413

「日本の住宅」という実験

Architecture , BOOKS

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「日本の住宅」という実験—風土をデザインした藤井厚二
百の知恵双書 (017)

著者: 小泉  和子

ISBN: 978-4540050022
出版: 農文協

定価: 2,800-円(税込)

先週11日の土曜日夕、東京町田の「可喜庵」で開かれた「デザインサーベイとしての昭和建築家」の第一回目の講演会が開かれた。

文化財保存計画協会の代表・矢野和之氏による「藤井厚二・聴竹居」と題する講演なのだ。

今回の展示講演会シリーズで扱われる四人の建築家達、藤井厚二、山越邦彦、蔵田周忠、広瀬鎌二に触れながら、本書の日本の環境共生実験住宅の先駆けである「聴竹居」が語られ、その設計者であり住まい手であった建築家・藤井厚二が語られたのであった。


目次
    はじめに
      カラー口絵

第1章 日本の住宅をめざして
    藤井厚二の生涯
    時代背景
    藤井はなぜ忘れられたのか
    実験住宅
第2章 日本の風土に適合した住宅
    夏が厳しい日本の気候
    環境共生住宅をどうつくるか
    聴竹居に見る環境共生住宅
    その他の住宅に見る環境共生手法
    藤井の環境共生手法その後
第3章 畳と椅子の融合
    家族本位の合理的な平面
    イス座とユカ座の融合
    造りつけ家具
    独立家具
第4章 和風材料による内装
    和風デザインの尊重
    和風材料による内装
    照明器具と天井デザイン
    藤井厚ニの今日的意義
     藤井厚二住宅作品・著作リスト
      あとがき
      たあとる通信


1920年代、日本の風土に立脚した住宅を作り出す........、日本の気候風土、畳と椅子との空間をどう構成するのか.......という先駆的な試みであった藤井厚二の京都山崎に作り出された住宅群がある。
それらは、いつの間にか忘られ、その先駆的な試み自体、数寄屋造の一亜種としての評価であったようだ。それが半世紀も経った1970年代に、多くの識者によって、環境共生手法として再発見される事となった。
今回の講師である矢野和之氏はその識者の一人であらせられるのだ。

氏のお話の中に、藤井厚ニがメーターモジュールというか、メーターグリッドを採用したことが語られた。フォルクスハウスにメーターを採用した私にとっては、その先駆性にも驚かされたのであった。

今後の「デザインサーベイとしての昭和建築家」、大いに楽しみである。

Posted by 秋山東一 @ April 13, 2009 01:12 AM | TrackBack (0)
Comments

飛曇荘さん、どうもどうも....でございますです。
もちろん.............ウ・フ・フ……でございますですよ。

Posted by: 秋山東一 @ April 17, 2009 09:14 AM

鈴木さん、どうもです。
これからの「デザインサーベイとしての昭和建築家」の展開、楽しみです。

Posted by: 秋山東一 @ April 17, 2009 09:11 AM

本題とは関係ありませんが、営業報告を一件。

入居後満一年の昨日午後、草取りにいそしんでいた松本営業所員に声を掛ける若い夫婦あり。
曰く、「家を建てたいとあちこち見て回っていますが、この家は何度みても格好いい家ですね。どこのメーカーですか」と尋ねられましたので、設計施工監理者と施工工務店のお名前をお知らせしました。ブログ等もあわせて紹介しました。
新しいクライアントに繋がった暁には、ウ・フ・フ……。

Posted by: 飛曇荘 @ April 14, 2009 12:58 AM

秋山さん、ご参加ありがとうございました。
そうでした、VHはメーターモジュールでした。今やあたり前に私も使っています。もっとその辺の話に話題を振るべきでした。次回にでもお願いいします。

Posted by: 可喜庵亭主 @ April 13, 2009 06:06 PM