080201

漫画ノート

BOOKS

4862380700.jpg


漫画ノート

著者: いしかわじゅん

ISBN: 978-4862380708
出版: バジリコ

定価: 2,100-円(税込)

手に取った途端、その真っ白い装幀に驚かされる。今注目の鈴木成一なる装幀家の手になるものだそうだが、カッコいいのだ。そして、その厚さ (30mm) にも........上下二段組の443頁にも大いに驚かされるのだ。

そして黒いオビには、大瀧詠一の「漫画を 読まなくても 漫画がわかる。」の一文、大いに期待してしまうのである。

第1章から第6章で、全て漫画の批評の187話........200本もの漫画が俎上に上がっているのだ。やぁ、なんだかブログのアーカイブをカテゴリー分けにしたのを読むっていう気分なのである。

manga_note_1.jpg


目次
第一章 漫画は冒険する
    ……………………
    ……………………
第二章 BS漫画夜話
    ……………………
    ……………………
第三章 愛の漫画
    ……………………
    ……………………
第四章 彼らの肖像
    ……………………
    あだち充の世界
第五章 秘密の花園
    ……………………
    インド血だるま事情
第六章 美しい物語
    ……………………
    吾妻ひでおの希望
    
    あとがき
    人名索引
このように1頁を立てて写真を撮るのを masa 式という。

私は漫画読みではないものだから、ここに出てくる漫画は読んだことのないものが大部分というもんだが、そんな漫画素人にも分かりやすく、論理的思考をもって、その漫画を分からせてくれるのだ。じゅんさんって頭のいい人....というだけでなく、親切な人でもあるのであーる。

いしかわじゅんさんの最初の漫画批評本「漫画の時間 」が出版されたのが1995年、それから12年余、その時間の中で書かれた漫画批評の集大成が本書なのだ。

本書の大部なこと山の如し....ではあるのだ。末尾には人名索引までついているのだが、そこには五十音順に276の人名が並んでいるのだ。
 私が数えたのだから間違いない。


追記 080202

コメント欄に、いしかわじゅんさんからコメントをいただき、その返信で書いたが、本書は絶好の漫画入門書と思える。漫画を愛好している人にとって面白くないはずはないが、今の漫画を知らない人にとっても大変分かりやすく理解できる内容なのだ。
これも、漫画描きでありながら、漫画読みでもある、いしかわじゅんさんだから書ける本なんだと思った。


追記 080413

今朝の朝日新聞朝刊12面の「読書」欄に書評がでていた。苅部直・東京大学教授によるものだが、「作者の人間性まで洞察する批評の力」とある。じゅんさんのホームページによれば、本書はもう3刷りとのこと、目出度い。


Posted by 秋山東一 @ February 1, 2008 12:04 AM
Comments

遅ればせながら、「初版第1刷」を購入...。

Posted by: たかさん @ February 5, 2008 08:03 PM

秋山さん、今日は仕事がないので、これからこの本、買いに行ってきますよ。いしかわじゅんさんとはそういうご縁だったんですね。素敵なお住まいなんでしょうね。
いしかわじゅんさんのこと、必ずブログで書きます。

Posted by: 今井 @ February 4, 2008 03:03 PM

今井さん、どうもです。
ぜひぜひ、いしかわじゅんさんをウオッチなさっておられたなら、必読です。
じゅんさんのお住まいは私が設計したものなのです。

Posted by: 秋山東一 @ February 4, 2008 09:21 AM

秋山さん、これは早速買ってみます。Macとちがってすぐ予算がとれるので(笑)。それに、いしかわじゅんさんだし。いしかわじゅんさんはいつもウォッチしているつもりでいたんですが、この本はまったく知りませんでした。
とても読み応えのあった漫画を貸そうとすると、「また漫画ですか?」って言う友人もいるのですが、「だからこそ漫画読むんだよ」って答えるようにしています。
直接いしかわさんがコメントしてるってところもすごいなあ。

Posted by: 今井孝昌 @ February 4, 2008 08:14 AM

じゅんさん、どうもです。
私にとっては格好の漫画入門書です。こんなに、読みやすくて、漫画に興味を持たせてくれる本は他にないように思います。
沢山の人が手に取られるよに思います。

Posted by: 秋山東一 @ February 2, 2008 09:27 AM

 紹介してくださって、ありがとうございます。
 あまりにも厚くなってしまって、はたして売れるかなあと
危惧してたんですが、発売一週間で増刷になって、胸を
なで下ろしてるとこです。いやもちろん、3刷り4刷りと
乗せる所存です。

Posted by: いしかわじゅん @ February 2, 2008 01:55 AM

masa さん、どうもです。
本を開いて写真撮ろうとすると、なんとなく...式になってしまいました。これは、もう、習慣です。

Posted by: 秋山東一 @ February 1, 2008 10:43 PM

キャプション部分で、チラと遊んでくださいまして、ありがとうございます(^^; 本文に関係のないことで、失礼いたしました。

Posted by: masa @ February 1, 2008 08:27 PM