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ル・コルビュジエの建築—その形態分析

Architecture , BOOKS

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ル・コルビュジエの建築—その形態分析
LE CORBUSIER AN ANALYSIS OF FORM
著者: ジョフリー・H.ベイカー  Geoffrey H. Baker
訳者: 小野 節子

ISBN: 4822245640
出版: 鹿島出版会
定価: 6,825-円(税込)

バナナブックスの La Tourette をエントリーしてから、妙にコルビュジェづいているのだが、書店でこれを見付け手に入れた。

不勉強で申し訳ないが、こんな方法でコルビュジェの作品の形態を分析し、解析した論を初めて見たのだ。
見たというのは、そこに十分にこなれた図解によって明快にその設計手法を解明しているのだ。

目次を見ても分かるように、その形態分析を、ル・コルビュジェ以前のシャルル-エドゥアード・ジャンヌレ時代の作品から初めていることだ。

そこで徐々に、我々にとってのル・コルビュジェへと成長してくるのだ。


目次
1 序論:形態の見地

2 シャルル-エドゥアード・ジャンヌレ:形成期
  ファレ邸 VILLA FALLET 1905-06
  ストッツアー邸とジャクメ邸 VILLAS STOTZER AND JAQUEMET 1908

3 過渡期 1912-17
  ジャンヌレ-ベレ邸 VILLA JEANNERET-PERRET 1912
  ファーヴル-ジャコ邸 VILLA FAVRE-JACOT 1912
  シュウォブ邸 VILLA SCHWOB 1916

4 英雄の10年間 1920-30:最初の熟練期
  シトロアン型住宅 MAISON CITROHAN 1920-27
  ヴォクルソンの住宅 VILLA AT VAUCRESSON 1922
  オザンファンのスタジオ付住宅 STUDIO APARTMENT FOR OZENFANT 1922
  ラ・ロッシュ・ジャンヌレ邸 VILLAS LA ROCHE-JEANNERET 1923-25
  スタイン-ドゥ-モンツィ邸(ガルシェの住宅) VILLA STEIN-DE-MONZIE 1926-29
  サヴォア邸 VILLA SAVOYE 1929-31

5 戦後期
  ジャウル邸 THE JAOUL HOUSES 1954-46
  ノートル-ダム-ドュー-オー・ロンシャン NOTRE-DAME-DU-HAUT RONCHAMP 1950-55
  ラ・トゥーレットの修道院 THE MONNASTERY OF LA TOURETTE 1957-60

6 ル・コルビュジェにおける文節のシステム



やはり、その分析の圧巻はラ・トゥーレットにあるだろう。
あのコルビュジェ晩年の作品の老かいさ、その手法が余すことなく解明されている......と思える。

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Posted by 秋山東一 @ May 8, 2007 12:02 AM
Comments

>根っからの図解本好きです
うふ!

Posted by: iGa @ May 9, 2007 04:04 PM

皆さん、どうもです。
僕は根っからの図解本好きですが、建築の本も図解、絵解きが大好きなんであります。iGa さんご紹介の本も持っておりましたです。
一時、Ching 本というべき、Francis D.K. Ching の建築技法本に感心してしまい、買いそろえたりしてしまいましたです。

Posted by: 秋山東一 @ May 9, 2007 12:50 AM

この連休をはずして休暇(自宅の蔵書整理?)といったところで。
このような先生のエントリーを拝見すると『また増えそう(笑)?』

Posted by: たかさん @ May 8, 2007 04:59 PM

そういえば、コルビュジエに特化していない古今東西に間口を広げた建築分析本を持っていたなと、Amazonで調べると、原書のRoger H. Clarkの"Precedents in Architecture" が8,470円から10,283円、それを翻訳した集文社の「建築フォルムコレクション—造形思考とタイポロジー」が3,670円でした。しかし、原書は改訂版で新しい建築を追加しているようで、その違いは大きいかも。

Posted by: iGa @ May 8, 2007 10:58 AM

本書はペーパーバックスという体裁の割りに高価な本である。といっても、建築以外で結構高価な本を買ってしまうことは多々あるのであるが。今回、本屋で見つけて....これは原書でもいいんじゃないの...文字の部分も少ないし.....と思って買わなかったのだ。
戻ってから原書を検索してみた。ところが原書の方が高価........というわけで、再び書店に出かけ、さっさと買い求めたのでありました。

Posted by: 秋山東一 @ May 8, 2007 01:31 AM